6月8日に投開票されたイギリス総選挙(定数650)は9日、ほぼ全ての議席が確定した。メイ首相率いる保守党は第1党の座を維持したが、過半数に届かなかった。首相は記者会見し、続投する意向を表明した。
BBCニュースによると、保守党は318議席で、改選前から12議席減らした。一方、「ライバル」の労働党は261議席と32議席増やした。ほかにも複数政党が議席を獲得したが、いずれも過半数に届かない異例の「ハングパーラメント(宙づり議会)」状態になった。9日午後2時(日本時間9日午後10時)現在、未確定は残り1議席となっている。
メイ首相は結果を受けて記者会見し、民主統一党の協力を受けて引き続き政権運営にあたる意欲を表明。「『ブレグジット(EUからの離脱)』に向けて前進するため、民主統一党の友人や仲間たちと協力する」と話した。同党とは連立ではなく、閣外協力の形で連携するとみられる。民主統一党はEUからの離脱にも賛成の立場だ。
今回の総選挙はメイ首相の「主導」で行われた。首相は4月、保守党が過半数の330議席を有していたが、EU側との交渉に向けてさらなる政治基盤の強化を狙って前倒しの総選挙という「ギャンブル」に打って出た。ところが、もくろみは失敗。党内における求心力の低下は避けられず、今後も不満の声がくすぶりそうだ。