上野東京ライン、建設現場を公開 新幹線の上に新線乗せる「終電から始発まで限定の前例ない工事」

「上野東京ライン」の線路の、秋葉原―神田間の新たな高架橋を地元住民らに公開した。終電から始発まで限定の前例ない工事が行われた場所だ。
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JR東日本は7月12日、2015年春の開業を目指して上野―東京駅間で建設を進めている「上野東京ライン」の線路の、秋葉原―神田間の新たな高架橋を地元住民らに公開した。

上野東京ラインは、現在、東京・上野駅止まりのJR宇都宮線、高崎線、常磐線の3つの路線を、東京駅止まりの東海道線と直通運転させるもの。開通すれば上野―御徒町間の混雑率が大幅に緩和すると期待されている。スポニチなどが報じた。

公開された高架は長さ約800メートルで、既に信号機や標識が設置されている。最も高い地点は地上から約20メートルあり、有楽町や新橋方面のビル群も見通せた。招待された地元の人たちも線路上を歩き、珍しい風景を写真に収めていた。(中略)

 

神田駅付近は、既設の新幹線高架橋の上に新線を乗せる前例のない工事だった。長さは約600メートル。終電から始発までの短時間の作業で、架線の間にクレーンを通し、鉄骨を一つ一つ慎重に組んだ。JR東日本東京工事区の柳沢則雄区長は「難易度が高かった。特に大きな機械を新幹線の線路の中に入れての工事が大変で、毎日がスリリングだった」と振り返った。

 

(スポニチ「上野―東京結ぶ新線公開 今月下旬に試運転へ」より 2014/07/12 13:27)

神田駅周辺には余剰土地が無いため、上野東京ラインは、神田駅を中心に1.3Kmにわたって高架の上に高架を重ねる「重層高架部分」を作って通過させる工事となった。そのため、新線による高さ30メートル程の壁ができることになり、環境・景観の面から地元の反対運動が起こったこともあった。

この日の公開に参加した人の声を、朝日新聞デジタルは次のように報じている。

両親と参加した青山遊さん(10)は「すごく高い。電車に乗って見る景色も楽しみ」。神田須田町二丁目町会長の坂下賢三さん(75)は「巨大な構造物。通勤などの利便性が高まるのは歓迎だが、神田駅は通過し、騒音についてなど地元には反対の声もあるので複雑な気持ち」と話した。

 

(朝日新聞デジタル「神田駅周辺の難工事、地元住民に公開 JR東北縦貫線」より 2014/07/12 17:47)

■上野東京ラインの「重層高架部分」

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■「重層高架部分」工事の様子

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