「1日の死者が10万人を超えてもおかしくない」
米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は6月30日、徹底した感染対策を取らない限り、アメリカの1日の感染者数が10万人を超える可能性があるという見解を示した。
ファウチ氏はこの日開かれた上院の委員会で、現在の危機的な状況に警鐘を鳴らした。
委員会でエリザベス・ウォーレン上院議員がこの発言に触れ、「現在の状況から考えて、パンデミックが終わるまでに新型コロナウイルスによる感染者数と死者数はどれくらいになると思いますか?」と尋ねた。
これに対してファウチ氏は「正確な予測はできないが、かなりひどい状況になることは確実です」「なぜなら国の一部で感染が拡大していれば、状況が改善している別の場所も脆弱な状態になるからです」と答えた。
アメリカでは、最も感染者の多い州の一つだったニューヨークで感染者数が減る一方で、テキサスやアリゾナ、フロリダなど、経済活動を再開させた南部の州を中心に、感染が増加している。
感染拡大を受けて、これまでに少なくとも16の州が、経済活動再開の一部停止や中止をした。
ファウチ氏は感染拡大を食い止めるために「国全体で対策を取る必要」があると警告する。
「急速に感染拡大している場所だけに目を向けているだけでは、国全体を危険にさらします」
「現在、1日に4万以上の新規感染が確認されています。状況が改善しない限り、1日に10万人が感染してもおかしくありません」
ファウチ氏は以前に、アメリカでは新型コロナウイルスの感染が秋まで続くだろうとも警告している。
専門家が国レベルでの対策を求める一方で、トランプ大統領は新型コロナウイルス感染拡大対策について、ほとんど発言していない。
30日には、3万5000以上の新規感染と300人以上の死者が確認されたが、トランプ大統領のツイートは、銅像破壊への非難や、自身に関係するものが大半だった。
「孤高の戦士だ!」
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。