水野靖久復興庁参事官の暴言Twitter、別の視点での報道を求める声

復興庁職員で、「原発事故子ども・被災者支援法」の担当をしていた水野靖久参事官が、ツイッター上で「左翼のクソども」などとと市民団体などへの中傷を繰り返していたことが分かった…
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復興庁職員で、「原発事故子ども・被災者支援法」の担当をしていた水野靖久参事官が、ツイッター上で「左翼のクソども」などとと市民団体などへの中傷を繰り返していたことが分かった。OurPlanetTVが報じた。

水野氏は、総務省出身のキャリア官僚で、千葉県船橋市副市長などを経て、2012年8月から復興庁へ出向、「原発事故子ども・被災者支援法」の担当をしている。「原発事故子ども・被災者支援法」は、2012年6月21日に設立した法律で、東京電力福島第1原発の事故にともなう放射線量が、一定基準値以上の地域の子どもや住民らに対し、国が健康調査や支援を行うとするということを定めたものだ。

この具体策に関しては、法律成立後は政府の計画や政令等で定められることになったが、被害者や自治体の方々の声を、政府の施策に反映させることを目的として、市民らが対話集会を開くなどの活動を行なっている。また、この内容の取りまとめは、復興庁が行うことになっていた。

水野氏は法律制定後に、復興庁の担当となっているが、その職務の感想も、ツイッターに書いていた。

「今日は印象深い言葉を聞きました。「過給を恐れて貧窮することなかれ。」(正確ではないかも) 福祉、特に生活保護では基本的な考えとか。真に支援を必要としている人には手を差しのべるんだ、という厚生官僚の心意気を感じました。」

2012-08-22 21:49:41

「おはようございます。今日は、福島県南相馬市まで出張です。地震、津波、原災と大変なところですが、よく現地の生の話を聞きたいと思います。」

2012-09-28 08:35:14

また、激務を嘆くようなツイートもある。

「総理の国会答弁には、答弁作成責任者(課長クラス)の自宅、役所、携帯の電話番号を書かされて、実際、総理秘書官から、夜中、早朝でも容赦無く問い合わせの電話がかかってくることもあるという恐ろしいシステム.....」

2013-01-29 20:26:07

「公務員の給与を引き下げろと主張する某党の代表が本会議の通告を出さないため、退庁できない職員多数。今日だけで数千万円の残業代が浪費されたものと推測。」

2013-01-30 20:34:23

水野氏は、これらのツイートの合間に、誹謗ツイートを行なっている。今年3月7日に、国会内で開かれた「どうする? 放射線による健康被害への対応-市民・専門家による提言」という集会のあと、水野氏は次のようにツイートした。

「左翼のクソどもから、ひたすら罵声を浴びせられる集会に出席。感じるのは、相手の知性の欠如に対する哀れみのみ」

2013-03-07 21:42:09

なお、3月7日の会合は2時間ほどおこなっており、その様子は、YouTubeで動画を見ることができる。沢山の参加者が集まり、熱心に議論が進められた。これらの参加者を国の役人が「左翼のクソども」というのは、大変悲しいことである。

「真に支援を必要としている人には手を差しのべるんだ」「よく現地の生の話を聞きたいと思います。」とのツイートは、偽りだったのか。

集会は全体を通して穏やかに進めれている。わずかに「原発事故子ども・被災者支援法」に書かれている“一定基準の範囲はいつ決まるのか”という参加者からの質問に対して、現在検討中と水野氏が答えた際に、「もう決めなさいよ!」「何グズグズしているの!」との声があがっていた。

この集会の翌日に水野氏は、「きょうは懸案が1つ解決。正確に言うと、白黒つけずにあいまいなままにしておくことに、関係者が同意しただけなんだけど、こんな解決策もあるということ」など、課題の先送りを歓迎するかのようなツイートも行なっている。

根本匠復興相は13日の衆議院 東日本大震災復興特別委員会で、「事実とすれば国家公務員としていささか不適切な発言だ。不快な思いをさせたのであれば率直におわびしたい。事実関係を確認中で、その結果などを踏まえて適切に対処したい」と答弁している。

一方、一連の報道を受けて、ツイッターでは、水野氏のツイートが一方的に報道されていることに対するコメントが上がっている。

彼らの大変さはよく分かっていますよ。彼らはやるべきことはちゃんとやってましたし。

役人は公務員だから罵声を浴びせてもいい、という考えの人もいるかもしれないが、浴びせられる側の気持ちも考えた方がいい。世のため人のために働きたいから公務員を選んだ人はいるはず。でも、人々やマスメディアの公務員への態度や報道姿勢が、その心を折って能面公務員を作ってる時もあると思う

自分も何度か某団体から罵声を浴びせられるだけの会合に出席しましたが反論すると彼らのHPに名前と所属を晒されて酷い事書かれるからひたすら参考にさせていただきますとだけいうようにと上司からアドバイスを受けました。何言われたかは覚えてないですが虚しい気分になったことは覚えています。

被災者の訴えを、左翼の罵声と見ている事など明らかに良くないが、見えないとでも思っていたのだろうか。

彼の行動の裏に、何が起こっていたのかも、同時に検証する必要があるのではないか。

水野氏はある日のツイッターの中でiZaの記事にリンクを張っていた。その記事の1文には下記のような表記がある。

官僚をスケープゴートにすることで、失政の責任から逃れ「国民と一緒に既得権益と闘う」というポーズを見せることができる。

構造改革を断行した小泉政権から、「脱官僚」を唱えた民主党政権まで「官僚=悪」という構図は常に利用されてきた。

(iZa「「官僚悪玉論」の愚 政治家たちの失政の責任逃れ」より。 2012/11/02 12:27)

また、水野氏は国会議員から、委員会の質問の事前通告を受けたことを何度も「被弾」とツイートしている。

この被弾が増えてきたあたりから、誹謗ツイートもエスカレートしたように見える。

退庁。帰宅したら被弾との連絡.....

2013-01-31 22:49:56

いろいろな案件で被弾しまくり.....

返信 RT お気に入り jp1tej 2013-02-05 20:46:04

割振りの消極的権限争いに敗れて今夜も被弾なう。

jp1tej 2013-02-08 21:08:35

被弾が増えて、被災者の心を受け止める気持ちがなくなってしまったのだろうか。

それとも元々、被災者のことなど考えていなかったのだろうか。

ジャーナリストの菊池雅志氏は、官僚のツイートについて下記のようにつぶやいている。

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