マストドン公式「ベルリンの壁」を念頭に痛烈な皮肉。Twitter社の「他のSNSへのリンク禁止」発表を受けて

「東ドイツ発祥の団体なので、壁を作って人を囲い込もうとするのは得策ではないと知っています」
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東ドイツの国境警備隊が壁を建設するのを見守る西ベルリンの市民ら(1966年8月10日撮影)
picture alliance via Getty Images

Twitterが他のSNSへのリンクを禁止する規約変更を打ち出した際に、禁止対象となっていたSNS「マストドン」の公式Twitterが痛烈な皮肉をツイートした。

マストドン公式の運営団体は、かつて「ベルリンの壁」に囲まれていた西ベルリンが拠点。「壁を作って人を囲い込もうとするのは得策ではない」とベルリンの壁になぞらえて、Twitter社の規約変更に警告している。

  

■「ベルリンの壁」を念頭に痛烈な皮肉

Twitter社は日本時間12月19日の規約変更でマストドンやFacebookなど7つのSNSへのリンクを投稿することを禁じると発表。数時間後に発表を削除した。また、Twitter上では16日から、マストドンの複数サーバーへのリンクを投稿できなくなっている

リンク禁止をTwitter公式アカウントが発表した際、マストドンの公式Twitterアカウントは以下のように英語でツイートした。

「東ドイツ発祥の団体なので、壁を作って人を囲い込もうとするのは得策ではないと知っています」

2016年にスタートしたSNS「マストドン」は、ドイツの非営利団体「マストドン gGmbH」が開発しており、この団体がTwitter公式アカウントも運営。マストドンの創設者であるオイゲン・ロチコさんがCEOを務めている。

公式サイトによると団体の所在地は、1989年まで「ベルリンの壁」に囲まれていた西ベルリンとなっている。

■136人が犠牲となった「ベルリンの壁」とは?

駐日ドイツ大使館などによると、西ベルリンは共産主義の東ドイツの中で唯一、自由主義陣営の統治下にあった。西ベルリンには東ドイツ市民の脱出者が相次いだため、防止するために1961年に約155kmに及ぶ壁が作られて、西ベルリンが封鎖された。壁を突破しようとした人は、国境警備隊に射殺された。犠牲者は少なくとも136人に及ぶという。

マストドン公式アカウントは、Twitter社の発表を「ベルリンの壁」になぞらえて、人々を分断する措置だと皮肉を込めた格好だ。