Twitter社が、自殺対策に乗り出した。利用者が自殺に関連するキーワードを検索すると、自殺防止団体の問い合わせ先が表示される機能を、1月18日から始めたのだ。
きっかけは、神奈川県座間市のアパートで9人の遺体が見つかった事件。凄惨な事件の裏側で、被害者と容疑者の接点として「Twitter」が浮上している。
容疑者は、一緒に死んでくれる人を探す書き込みをしていた被害者を誘い出し、犯行に及んだと報じられている。
このため、プラットフォームとしての責任を問う声が一部で上がった。こうした事情を踏まえて、Twitter社が議論を重ね、対策を講じたのだ。
それは、次のような内容だ。
スマホ版
自殺に関連するキーワードを検索すると、検索結果よりも上に自殺予防に取り組む団体の情報が表示される仕組みだ。「あなたの思いをそのまま聞かせて」という呼び掛けとともに、パートナーシップを結んでいる「東京自殺防止センター」などへの相談を促すメッセージが表示される。
PC版
ページのトップに同様の文言が表示され、同センターなどのNPO団体を案内する、Twitter Japanの公式アカウントのメッセージが表れる。
案内先はほかに、「Mex 10代のための相談窓口」「宮崎自殺防止センター」「大阪自殺防止センター」「TELL Japan」といった団体だ。
Twitter側は現在、自殺に関する150のキーワードを対象に、こうしたメッセージを表示しており、運用状況に応じてキーワードの変更や追加を検討する。
この対策の裏には、自殺を考える利用者と相談に乗る団体とをつなぐことで、自殺抑止を図りたいというTwitter側の思いがある。アメリカ版では17日に始まり、今後は各国版にも広げていく予定だという。
Twitter社の広報担当者は18日、ハフポスト日本版の取材に次のように答えた。
「昨年の座間市の事件はTwitterの社内にとっても大きなショックでした。Twitterというプラットフォームとしてどのようなことをすることが利用者の方々に役立つのか、どのようなことができるのかを社内外で話し続けており、今回の件はそのひとつです。とてもシンプルな機能ではありますが、これが前向きに役立つことができると嬉しいです」