Twitterがいよいよ上場する。アメリカのTwitter社は6日、新規株式公開(IPO)における公開価格を、1株26ドル(約2550円)に設定した。ツイッターは7日にニューヨーク証券取引所(New York Stock Exchange)に上場する。
Twitterは当初、IPO価格予想を17~20ドルとしていたが、4日には23~25ドルに引き上げていた。しかし今回の設定価格はその上限を、さらに1ドル上回るものだ。公開価格を下げると、企業が調達できる資金は少なくなる。そのため、低すぎない用に設定することがキモとなる。Facebookなどは、2012年5月にIPO価格予想を28−35ドルに設定していたが、最終的には公募価格は38ドルに決めている。
Twitterによるツイートによると、IPOの規模は7000万株で、18億2000万ドル(約1800億円)を調達した計算だ。証券コード(ティッカーシンボル)は「TWTR」で、FacebookやGoogle、Appleが上場するNASDAQではなく、ニューヨーク証券取引所への上場となる。
■日本ではTwitter株を買える?
フェイスブックに続く大型上場と言われるTwitterの上場は、日本でも注目度が高い。米国株の取引を扱うネット証券などでは、Twitterも取引可能な銘柄に指定されるようだ。
ただし、米国株の取引には「ストップ高やストップ安がない」など、日本株の取引とは違う点もあるので注意が必要だ。
■バフェット氏はTwitter株を買わない?
では、Twitter株は買いなのか?
ウォール・ストリート・ジャーナルは、アメリカの著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏なら、Twitter株を買わないのではないかと報じている。同紙は、バフェット氏が投資する銘柄を選ぶ際の次の3つの点から、「買わないのでは」と考察している。
投資先候補を探す際の留意点には、1)かなり低い株価比率、2)配当金支払い、3)向こう15〜20年の生き残りを保証するような安定した製品を供給できること、が挙げられる。
(WSJ.com「バフェット氏がツイッターを買わない理由」より。 2013/11/05 18:17)
Twitter側はしばらくは配当を行わないだろうし、15年後に生き残る保証がないというのが、バフェット氏がTwitter株を「買わない」と推測する理由だという。
■Twitterが得た資金、何に使われるのか
ツイッター株を買わない人にとっても、ツイッターが上場で得た資金が何に使われるのかという点は気になるだろう。
今回の資金調達は、広告収入増に向けた事業拡大が狙いだとされる。東洋経済オンラインは、Twitter海外での広告売上に、伸びしろがあると指摘する。
国別の売上げまでは開示されていなかったが、ユーザーと収益の関係で興味深い記述があった。13年3月~6月の月間アクティブユーザー数は米国外の割合が77%を占める一方、海外の広告収入は売上げ全体の25%にすぎないというものだ。つまり、全世界でユーザーを拡大しているが、それに見合うだけの売上げを海外で十分に上げられていないことになる。逆にいえば、収益拡大のポテンシャルがあるともいえる。今後、ユーザー数の拡大や成長を見込む国としては、アルゼンチン、フランス、日本、ロシア、サウジアラビア、南アフリカが挙げられていた。
(東洋経済オンライン「ツイッターの上場申請で稼ぎ具合が”丸裸” 」より 2013/10/05)
しかし、広告を強化することでユーザーが離れるのではないかとする見方もある。
ニュースフィードに表示されるモバイル広告が多すぎると、ユーザーの受けが悪くなる可能性があり、ユーザー当たり収入の低さを広告量で補うことはできない。そのため、広告収入を上げる方法としては、広告主にモバイル広告の効果を説いて、その値上げを試みることしか残されていないが、それは容易ではない。
(WSJ.com「IPO目指すツイッター、成功のカギはモバイル広告事業の増収」より 2013/10/05 10:19)
また、ネット上にはTwitterに他の点の改善を期待する声もあがっている。
あなたはTwitterの上場に何を期待しますか?ご意見をお寄せ下さい。
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