テレビ業界が大きく変わろうとしている。2020年4月、NHKが地上波テレビ放送のネット同時配信スタートへ。同年秋以降に、民法キー局でも開始を目指すとの報道もある。これからのテレビはどうなっていくのか?関連求人とともに見ていこう。
2020年は、テレビの転換点に
テレビ離れーーこうした声も囁かれる中、各局では新たな動きが進む。
2020年4月より、NHKは地上波テレビ番組をネットにも同時に配信する「常時同時配信」を開始すると発表。同時に放送後1週間、いつでも視聴できる「見逃し番組配信」サービスもスタートする計画だ。
さらに民法キー局もこの動きに追随。2020年秋以降に、開始を目指す準備を進めているとの報道もある。長年に渡り続いてきたテレビビジネスは、大きな転換期にあると言えるだろう。
2020年以降、ネットが新たな主戦場に?
ここ数年、テレビ局はネットとの融合を強力に推し進めてきたと言っていい。
とくに大きな話題となったのが、2016年、テレビ朝日によるサイバーエージェントとの「Abema TV」の開局。コンテンツ制作力を活かしたオリジナル番組を、スマホでいつでも手軽に視聴できる手軽さでアプリダウンロード数は4000万を突破した(*1)。
また日本テレビで言えば、2014年に動画配信サービス「Hulu」の日本事業を買収。地上波で放送中のドラマのスピンオフコンテンツの配信などでも人気を博す。
さらに各局がNetflixやAmazon Prime Videoなど、動画配信サービスにコンテンツを提供するといった動きもある。
2020年以降の5G時代、ネットによる動画視聴はますます伸びていく見込みだ。高いコンテンツ制作力を活かして、ネットでいかに収益を生み出していくのか。そのビジネスの動向が注目される。
(*1)2019年4月30日時点
官民一体で、日本のテレビコンテンツを世界へ
もうひとつ、テレビ局の動きとして注目したいのが海外へのコンテンツ輸出だ。
事実、2017年度、放送コンテンツの海外輸出額は444.5億円に。ここ5年間で4倍以上の伸長となった(*2)。
とくに政府が「クールジャパン戦略」を掲げる中、官民一体となった取り組みが数多く見られる。
たとえば、各国で開かれる国際番組見本市への出展はそのひとつ。海外のコンテンツバイヤーへのPRを強化している。2019年10月にも、フランス・カンヌで開催された、世界最大級の国際テレビコンテンツ見本市「MIPCOM(ミプコム)」に、キー局をはじめ、ローカル局が出展した。
こうした中、テレビ局では、業界の経験を問わないとする求人も見られる。変革期を迎える中、新たな視点でビジネスをつくり、推進していく。こういったチャンスも広がっていると言っていいだろう。