アメリカ・ハリウッドで3月4日に開かれた第90回アカデミー賞の授賞式で、日本人アーティストの辻一弘さんが、日本人で初めてメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。辻さんは「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」で特殊メイクを担当した。
辻さんはこれまで2度ノミネートされていたが、初のアカデミー賞受賞だ
映画.comによれば、日本人がアカデミー賞を獲得したのは、2009年・第81回の滝田洋二郎監督作「おくりびと」と、加藤久仁生監督作「つみきのいえ」以来、約9年ぶり。
個人としては1993年・第65回の「ドラキュラ」の故石岡瑛子さん以来、約25年ぶりの快挙となった(科学技術賞、名誉賞、特別賞を除く)。
■辻さんが担当した映画は?
「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」は、ゲイリー・オールドマンがイギリスの政治家、チャーチル首相を演じた歴史ドラマ。3月30日から日本で公開される。
辻さんはオールドマンから「(メイクが)あなたでなければ出ない」と熱烈なオファーを受けて特殊メイクを担当した。朝日新聞デジタルによると、今回のメイクでは、開発と試作に約6カ月間を費やしたという。
辻さんは京都市出身。高校生からメイクを学び始め、ハリウッドに渡った。大ヒット映画「メン・イン・ブラック」をきっかけに世界にその名を知られることになったが、2012年にハリウッドから退き、現代美術の分野に転向していた。