中国、高速鉄道を海外輸出 「中国標準」規格の普及狙うもトルコ首相の乗った一番電車でトラブル

中国企業が海外で初めて請け負ったトルコ高速鉄道のアンカラ―イスタンブール間が正式開通したが、トルコ首相が乗った一番電車でトラブルが発生。車内に30分間閉じ込められた。
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A man stands by the first Turkish high-speed train at Pendik railway station, in Istanbul, during the high-speed train opening cerenomy on July 25, 2014. Turkish Prime Minister Recep Tayyip Erdogan inaugurated the first high-speed train link between Ankara and Istanbul on July 25, 2014, his latest ambitious grand engineering project, but arrived late after a technical problem on the maiden trip. AFP PHOTO / OZAN KOSE (Photo credit should read OZAN KOSE/AFP/Getty Images)
OZAN KOSE via Getty Images

中国企業が海外で初めて建設を請け負った、トルコの首都アンカラと最大都市イスタンブールを結ぶ高速鉄道プロジェクトの第2期工事が完了し、7月25日、正式開通した。中国メディアはこぞってこのニュースを取り上げ、「中国高速鉄道の海外輸出を進める上で、重要な意義がある」などと強調したが、トルコのエルドアン首相が乗った一番電車で技術的問題が発生。首相らは車内に30分間閉じ込められたという。台湾紙・自由時報などが報じた。以下にトルコ高速鉄道の概要と、鉄道輸出に意気込む中国の課題、開通式でのトラブルの様子を紹介する。

■中国が請け負った「難度が高い工事」

トルコ高速鉄道のアンカラ―イスタンブル間は、全長533km。Xinhua.jpによると、第一期工事はスペインとトルコが共同で実施し、第二期工事の158km分は中国とトルコが担った。二期工事は距離は短いが地形が複雑なため、工事の難度は高かったという。

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MSN産経ニュースによると、車両はスペイン製、最高時速250kmで、所要時間は従来の6時間余から3.5時間に短縮される。

■鉄道の海外輸出加速、課題は「先進国による規格の独占打破」=中国大使

中国共産党の機関紙・人民日報の海外版は28日、このニュースを取り上げ「これは、中国の高速鉄道の初めての海外輸出であり、海外における『モデル』である」という駐トルコ中国大使のコメントを強調した。

さらに中国大使は、世界輸出加速のポイントとして、中国がヨーロッパや日本などより30〜50%ほど安いコストで高速鉄道システムを供給できることをあげ、「現在の高速鉄道規格の一部は、先進国の独占状態にある。『中国標準』の普及が喫緊の課題」と述べている。

■トルコ首相、30分間にわたり閉じ込められる

25日の開通式では、トルコ首相や中国大使が乗った一番電車が、アンカラからイスタンブールに向けて出発。しかし、途中で突然停止し、トルコ首相らは約30分にわたり、電車に閉じ込められた。このとき中国の関係者は「真っ青だった」と台湾紙・自由時報は報じている。

停止の原因は「高架線に問題が発生して列車への電力供給が停止」などの技術的な問題が指摘されているが、台湾紙の蘋果日報によると、政府関係者は「何者かによるプロジェクトの妨害」と述べているという。

トルコ高速鉄道のCM

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