福井県・敦賀原子力発電所の断層を検証してきた国の原子力規制委員会(規制委)は15日、2号機直下を走る断層について「耐震設計上考慮する活断層である」と認めた。同日開かれた有識者による第5回評価会合で、これまでの調査結果とともに報告された。
「総合的に判断すると、有識者会合としては、D-1破砕帯は、安全側の判断として、耐震設計上考慮する活断層であると考える。また、至近距離にある浦底断層と同時に活動し、直上の重要な施設に影響を与えるおそれがあると考える」(評価報告書案より)
規制委は報告書で、今回の評価について、「今後、新たな知見が得られた場合、必要があれば、これを見直すこともあり得る」としながらも、その場合は「追加調査等によって“後期更新世以降の活動を否定する”客観的なデータ」が必要と厳しい条件をつけている。ここでいう「後期更新世」とは約12〜13万年前の時代を示し、国の原発耐震指針では、これ以降に動いた活断層について「考慮すべき活断層」としている。
原子炉の真下に活断層があることは国の指針上認められておらず、敦賀原発を建設・運営している日本原子力発電(日本原電)が、今回の調査結果を覆すような新しいデータを示さない限り、敦賀原発2号機の再稼働は困難な状況だ。廃炉に追い込まれる可能性も高まってきた。
一方、敦賀原発の持ち主である日本原電は4月26日、規制委に要望書を提出し、有識者会合について「議事運営は、一方のサイドに偏り、公立さ、中立性を欠く。具体的な調査データに基づき十分に議論をすべき」などと批判していた。
これまでの原子力規制の会合の様子などは、YouTube内の原子力規制委員会Channelで見ることができる。
次回の有識者会合は17日午前9時半から、原子力規制委員会で開催される予定。
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