東日本大震災の津波で教習生らが犠牲となった宮城県内の自動車学校に、多額の損害賠償を命じる判決が下った。仙台地裁が遺族の訴えを認めて、山元町の常磐(じょうばん)山元自動車学校に総計で約19億1000万円の支払いを命じた。
朝日新聞デジタルによると、訴えていたのは18〜19歳の教習生25人とアルバイトの女性従業員1人の遺族。学校側に総計で約19億7000万円の損害賠償を求めていた。
津波被害をめぐる訴訟で、管理者側の賠償責任が認められたのは、宮城県石巻市の日和幼稚園で送迎バスに乗った園児が亡くなった訴訟に続いて2件目だ。死亡した従業員への賠償命令は初めて。
時事ドットコムによると、高宮健二裁判長は「津波襲来の可能性を予見して速やかに避難し、安全なルートで送り届ける義務があった」と述べたという。その上で次のように報じている。
高宮裁判長は、県の津波浸水域予測が海岸から100メートル未満だったことなどを指摘し、「大津波警報の第一報の時点では、海岸から約750メートル離れた学校に津波の襲来を予見して情報収集すべき義務があったとは言えない」と述べた。
しかし、地震発生の約10分後に消防の車が避難を呼び掛け始めた後は、「教官らの一部は呼び掛けを聞いたと推認できる」と判断。呼び掛けを軽視したり無視したりせず、速やかに判断していれば早く避難させることができたとして、「学校の安全配慮義務違反と教習生らの死亡に因果関係が認められる」と結論付けた。
(時事ドットコム:津波犠牲、自動車学校に責任=19億円賠償命じる-教習生ら26人死亡・仙台地裁 2015/01/13 12:31)
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