アメリカ上院情報委員会は5月10日、ロシア政府との接触疑惑で辞任した元国家安全保障担当補佐官マイケル・フリン氏に召喚状を出し、ロシアが2016年の大統領選に干渉した疑惑を調査する上院情報委員会に対し、文書の提出を求めた。
上院情報委員会のリチャード・バー委員長(共和党、ノースカロライナ州)と、マーク・ウォーナー上院議員(民主党、バージニア州)が発表した。
上院の共同声明によると、委員会は4月フリン氏に文書の提出を求めたが、フリン氏の弁護人がこれを拒否したため、召喚状を出すことに決めた。
フリン氏の弁護士ロバート・ケルナー氏は召喚状に対するコメントを控えた。
上院情報委員会は、2016年の大統領選に影響を与えるために干渉したロシア政府とトランプ陣営の接触を調査している。
ニューヨークタイムズによると、委員会はトランプ氏の選挙対策本部長を務めたポール・マナフォート氏、2016年の大統領選で選挙コンサルタントを務めたロジャー・ストーン氏、選挙の外交政策顧問を務めたカーター・ペイジ氏にも文書の提出を求めている。
バー委員長は9日、委員会の要求に応じないトランプ陣営の関係者は、誰でも召喚状を受け取ることになると述べた。
「あらゆる選択肢が検討されています。それがどんなものか想像できるでしょう」と、バー氏は述べた。「最も重い手段が、召喚状です」
フリン氏はトランプ政権の安全保障担当を辞任した。トランプ氏が大統領に就任する前に、フリン氏がアメリカのロシアに対する経済制裁の緩和について、ロシアのセルゲイ・キスリャク駐米大使と話し合っていたことが明らかになったためだ。
3月、委員会がロシアとの関係を調査する前、フリン氏は証言と引き換えに免責を求めたと報じられた。ケルナー氏は声明を出し、フリン氏は「語るべきことがある。状況が許せば話したいと強く思っている」と明かした。
「このように極めて政治的な魔女狩りのような状況で、不当な起訴をされないという保証もなく、弁護士から忠告を受けている分別ある人間なら、誰もこの要求に応じないだろう」と、ケルナー氏は述べた。
フリン氏の召喚状が出されたのは、トランプ大統領がFBIのジェームズ・コミー長官を解任した翌日だった。コミー氏は、ロシアとトランプ陣営の共謀疑惑に関しFBIの捜査を指揮していた。
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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