アメリカのドナルド・トランプ大統領は2月17日、Twitterで複数の主な報道機関を名指しで批判し、「メディアはアメリカ国民の敵だ」とこき下ろした。
「フェイクニュース」のメディア（負け犬のニューヨークタイムズ、 NBCニュース、ABC、CBS、CNN）は私の敵ではない。アメリカ国民の敵だ！
トランプ大統領はこの直前に、これとよく似たツイートを発信直後に削除した。この「改訂版」には、ABCとCBSが追加された。これらのメディアはいずれも、大統領選挙期間中ロシアの関係者とトランプ大統領と彼の周囲がずっと連絡を取り合っていたといった疑惑を大きく報じている。
ホワイトハウスは、ハフィントンポストUS版の取材にコメントしていない。
トランプ大統領のツイートは、すぐに記者たちから批判を招いた。
我が国のリーダーが、決して「アメリカ人はみんな、お互いを敵対させたいと願っている」などと信じ込んでいないことを望む。時計の針を戻そう。
これが危険なことかと聞かれれば答えはイエスだが、初めてかと言われればノーだ。ジョン・アダムズ大統領は扇動罪で記者たちを投獄した。
15日、ホワイトハウスはメディアを「野党」と呼んだ。そして、今日は「アメリカ国民の敵」だと言う。明日は何が出てくるだろう？
"人民の敵" ああ、ファシスト的な響きなんてまったくない。ないったらないんだ！
NBCニュースの大統領史担当のマイケル・ベスロス氏は、トランプの言葉遣いがウォーターゲート事件当時のリチャード・ニクソン大統領に似ていると指摘した。
ニクソン元大統領は1972年12月に録音された会話で、キッシンジャー氏にこう語った。「報道機関も敵、既成勢力も敵、そして教授たちも敵だ」
トランプ大統領のツイ―トは、77分間にわたってメディア批判を繰り返して混乱を引き起こした記者会見の翌日に投稿された。トランプ氏は会見でメディアは「始末に負えない」「不正直」と批判した。国家安全保障担当のマイケル・フリン氏が政権発足前に、ロシアと経済制裁の解除について協議していた問題の責任をとって辞任したことについても、「フェイクニュースメディアの記者たちがフリン氏を極めて不公平に扱っている」と非難している。
トランプ氏はTwitterで書籍も頻繁に攻撃し、自分に都合が悪い結果が出た世論調査は「フェイクニュース」だとして受け入れようとしない。
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
▼画像集が開きます
（スライドショーが見られない方はこちらへ）