連邦最高裁判事に指名されたニール・ゴーサッチ判事(左)とトランプ大統領
アメリカのドナルド・トランプ大統領は1月31日夜、欠員となっている連邦最高裁判事候補にコロラド州デンバーの第10巡回控訴裁判所のニール・ゴーサッチ判事(49)を指名した。ニューヨークタイムズなどが報じた。
連邦最高裁判事は終身制で、違憲訴訟などで政策の差し止めなどの権限を持っており、大統領が代わっても判事が交代することはないため、保守派とリベラル派の判事の構成は、今後の政策運営に大きな影響を与えることになる。ゴーサッチ氏が承認されれば、保守派の判事が多数派となるため、保守的な政策が最高裁判断で合憲とされる可能性が高くなる。
連邦最高裁判事の承認には、上院の過半数の賛成が必要となる。定数100の上院では共和党が52議席を占めるが、民主党は長時間演説で議事を妨害する「フィリバスター」を仕掛けることができる。フィリバスターを打ち切って持ち込むためには原則として60人の賛成が必要となるが、民主党の賛同を得ることは困難だ。
9人で構成される連邦最高裁判事は、2016年4月に保守派のアントニン・スカリア氏が急死して以来空席となっている。現在は保守派4人、リベラル派4人と拮抗しており、今回のトランプ氏の指名で保守派が多数派となるかどうか、注目が集まっていた。
バラク・オバマ大統領はスカリア氏の後任に中道のワシントン連邦高裁のメリック・ガーランド判事を指名したが、上院で多数を占める共和党が承認公聴会を拒否し、議決まで持ち込めなかった。
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