ゴールデングローブ賞でのスピーチの影響力とは、なんと大きなものだろう。1月8日の授賞式で、女優のメリル・ストリープがドナルド・トランプ次期大統領の「弱い者いじめ」を批判すると、トランプ氏は彼女を「過大評価された女優だ」と激しく非難した。しかし2015年の時点で、トランプ氏はストリープを好きな女優の1人に挙げていた。
2015年8月、ハリウッド・リポーター誌のインタビューで「お気に入りの女優はいますか」と質問された時、トランプ氏はジュリア・ロバーツと共にストリープの名を挙げた。トランプ氏は「メリル・ストリープは素晴らしい女優だ。人としても立派だよ」と述べた。
ストリープがトランプ氏の反移民的な政治姿勢と、選挙演説中に身体障害を持つニューヨークタイムズ紙の記者を真似てあからさまに侮辱した問題について批判すると、トランプ氏は好意的評価を一転させ、Twitter上でストリープを激しく攻撃した。
ストリープは「ヒラリーの腰巾着」 で、「最も過大評価されている女優のひとり」だと非難した。また、トランプ氏は記者を馬鹿にしてなどおらず 、(「そんなことは絶対にしない」と彼はツイートした)、記者の「卑屈な態度」を示してみせただけだと主張した。
トランプ氏はおそらく、2016年6月6日、ニューヨーク市デラコート劇場で撮影されたストリープには気が付かなかったのだろう。
ストリープは、2017年のゴールデングローブ賞でセシル・B・デミル生涯功労賞を受賞した。彼女はこれまでアカデミー賞に史上最多の19回ノミネートされ、うち3回受賞している。また、ストリープは英国アカデミー賞を2回、ゴールデングローブ賞を8回受賞したほか、その他にも多くの賞を受賞している。
2016年11月、ブロードウェイミュージカルのヒット作「ハミルトン」の観劇に訪れたマイク・ペンス次期副大統領に対し、同作のキャストたちが「アメリカ国民の多様性を守ろう」と意見を述べると、トランプ氏は同作を「過大評価」された作品だと酷評した。同作は2016年のトニー賞で、単独作品としてはアメリカの演劇史において過去2番目に多い11部門の賞を獲得している。
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
▼画像集が開きます
(スライドショーが見られない方はこちらへ)