自分が勝つのに必要な分の票を見つけるだけでいい――11月の大統領選挙で破れたトランプ大統領が、ジョージア州の州務長官に対して不正な票の再集計を求める音声をワシントン・ポストが入手・公開した。
公開されたのは、1月2日に行われたトランプ氏とジョージア州のブラッド・ラフェンスパーガー州務長官の約1時間にわたる電話会談の記録だ。
トランプ氏は11月の大統領選挙の後、選挙は不正だと根拠のない主張を続けてきた。
2日の電話会談でも「我々はジョージアの選挙で勝ったんだ。ブラッド、だからそれを主張するのは全く間違いじゃない」と自分の勝利を主張。
さらに「ジョージアの人たちは怒っている。国中の人たちが怒っている。だからもう一度集計したと言うことは何も間違ったことじゃない」と自分に有利になる票の再集計を求めた。
このトランプ氏の要請に対してラフェンスパーガー氏は「大統領、あなたの主張やおっしゃるデータは間違っている」と述べて主張を否定している。
ジョージア州ではすでに、トランプ大統領からの要請を受けた手作業と機械による票の再集計を実施し、両方でバイデン氏の勝利が確定している。
最終結果はバイデン氏が247万3633票、トランプ氏が246万1854票でその差は1万1779票だった。
トランプ氏は電話会談で「さらに票を見つければいい。私が望むものはそれだけだ。1万1780票を見つけて欲しい。今ある票より1票多いだけだ」「なぜなら私は勝ったからだ」と、票の改ざんを求めるかのような要請もしている。
さらに共和党支持者であるラフェンスパーガー氏に対して「正しい選挙結果を望むべきだ。君は共和党支持者だろう」「君は、選挙結果をもう一度調査すると発表すべきだ。そして再調査は、答えを探していない人ではなく答えを探している人と一緒にやるべきだ」など、共和党に有利な結果になるよう求める発言もしている。そして自分が主張する“選挙不正”を見過ごせば「犯罪になる」とも主張している。
それに対してラフェンスパーガー氏は「我々は、すでに正しい選挙結果が出ていると思っている」と回答し、「もし(再集計が)必要と感じるのであれば、裁判で明らかにすべき」と反論した。
Twitterでも攻撃
大統領選挙の結果を不服とするトランプ大統領は、これまで様々な州で訴訟を起こしてきた。
しかしジョージア州最高裁判所も含め、各州の裁判所は大統領陣営の訴訟を却下している。また、どの州でも投票や開票の不正は見つかっていない。
ワシントンポストが音声記録を公開する数時間前に、トランプ氏はTwitterでラフェンスパーガー氏を攻撃しており「ブラッド・ラフェンスパーガー州務長官と、フルトン郡とジョージア州の選挙不正について話した。彼は不正な選挙詐欺や、投票妨害、州外在住者の投票、死人による投票などについての質問に答えようとしなかった、いや答えることがだできなかったのかもしれない。彼は何もわかっていなかった!」と同氏を批判した。
このツイートに対してラフェンスパーガー氏は「トランプ大統領、あなたの主張は真実ではありません。真実は明らかになります」と、トランプ氏を否定した。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。