ただ盛り上がっているわけではない!? 盛況の裏にある、支持者一人一人が抱えるそれぞれの状況

今回の大統領選の取材目的は、題して現場・現物・現実の「三つの現」に基づく、「埋もれている小さな声を拾い上げる」ことです。
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11月8日に投開票が行われるアメリカ大統領選挙を追うために、アメリカ・ニューヨークにやって参りました。不人気な候補者が顔を並べ、大きな盛り上がりを見せないと言われる今回の大統領選。既存の報道機関は、候補者のスキャンダルや公開テレビ討論会、当選予想を中心に大統領選の報道を行っています。

しかし、意外と見落とされがちな主権者である国民。これまでも報道機関がたくさんの大統領選に関する情報を発信している中で、主権者である国民は今回の大統領選挙についてどう捉え、何を考え、そしてどんなアクションを起こしているのかを自分の目で、耳で感じたいと思い、ニューヨークにやってきました。

今回の大統領選の取材目的は、題して現場・現物・現実の「三つの現」に基づく、「埋もれている小さな声を拾い上げる」ことです。

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ドナルド・トランプの支持者

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ドナルド・トランプのバッジ

日本では、「白人はドナルド・トランプを、社会的に少数派である黒人や女性、子供、LGBTの方はヒラリー・クリントンを支持する」という通説があります。しかし、それは一説に過ぎず、社会的に少数派である黒人や女性、子供、LGBTの方でもドナルド・トランプを支持する人もいれば、白人でもヒラリー・クリントンを支持する人もいると思います。私は、そういった数的に埋もれてしまった人たちの声を自分の耳で聞き、発信したいと思います。

11月6日(土曜日)にアメリカ・ニューヨークに位置するトランプタワーに来ました。ここでは、主にドナルド・トランプ支持者の方が選挙運動を行っていました。

ある人はギター片手に裸で「私はカウボーイ、裸のカウボーイ、私はカウボーイ、裸のカウボーイ、Trump can make America great again!!」とリズミカルに歌い、ある人は「TRUMP PENCE MAKE AMERICA GREAT AGAIN!」と書かれた白色のパネルを渡し、ある人はヒラリー・クリントンを皮肉った新聞を渡していました。

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パネル

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新聞

日本でもアメリカの共和党陣営の選挙運動が盛り上がっているという情報やその映像も流れていたので、頭の中ではイメージできていました。しかし、自分の目で、耳で感じ取る現場の空気や雰囲気は想像をはるかに超えました。日本に流れている共和党陣営の選挙運動を見ていると、私の目にはただ無秩序に盛り上がっている、ある種のパフォーマンスのように映りました。

周りもうるさいこともあり、叫んでいる人々が何を叫んでいるのかよく聞こえなかったこともあり、そのような受け止め方をしていました。しかし、現地で自分の耳を支持者に傾けていると、ただ盛り上がっているのではなく、その盛況の裏には支持者一人一人が抱えているそれぞれの状況があり、それをドナルド・トランプに変えて欲しいという強い思いがあるのだなと感じました。

こちらの映像も、動画として観ている分でも耳が痛くなるほどの大きな音ですが、現地では隣の人の会話も聞こえないほどでした。

今回の大統領選挙の取材目的は「埋もれている小さな声を拾い上げる」でした。しかし、現地に足を運んでみると、意外と「小さな声」が埋もれずにいることが見受けられました。前述した日本に広がっている通説は、ある統計データから導き出した傾向を示しているだけで、それが全く正しいということはありません。

とはいえ、今回の取材はそういった「通説に反する人たち」の声を取り上げることでした。①どのような人たちが②どのような状況を抱えて③どのような発言をしているのかに着目して映像を見て頂きたいです。

トランプ陣営に国籍差別を受けた

余談にはなるのですが、トランプタワーの地下に位置するトランプグッズを売っている店を覗きました。記念にトランプグッズを買おうと思い、10人ほどの列に並んだところ店員にこんなことを言われました。

「アメリカの市民権を持っていない人はグッズを購入することはできません。立ち退きを願います」

もちろんアメリカの市民権を持っているはずがありません。結局何も買えずじまいでその場を去りました。去るときには後ろにいた女性から

「聞いたよね?退いて」

と言われる始末。しかし、トランプタワーで出会った日本人の方はトランプグッズを購入しようとされていました。ちょっとした冷やかしで言われたのでしょうか。何も買えなくて残念でした。

これはトランプタワー前にいた支持者の方で店員とのやりとりを伝えたところ、わざわざ店員のところに行って状況を説明して下さりました。買えなかった理由について少しお話しされていた動画です。