トランプ大統領夫妻の巨大な木像が、東欧のスロベニアに誕生している。トランプ氏らの偉業を称えるのが目的かと思いきや、必ずしもそうではないようだ。
独特な造形に「よく出来たパロディ」と称える声の一方で、「美しい風景に合わない」と批判の声も出ている。
■顔が分からないメラニア夫人の彫像
スロベニアはメラニア夫人の生まれ故郷として知られている。7月5日には出身地のセブニツァの町の近くで、メラニア夫人の像が公開された。
アメリカ人アーティストのブラッド・ダウニーさんが、現地の彫刻家に依頼して制作してもらったという。顔は判別がつかないが、服にあたる部分は、トランプ大統領の就任式でメラニア夫人が着ていた水色に塗られている。
ダウニーさんはCNNのインタビューに、反移民のトランプ大統領が英語を母国語としない移民女性と結婚したのは「あからさまな矛盾」だと指摘していた。
■トランプ像の作者「民主主義について、人々の目を開かせたい」
一方、トランプ氏の木像も8月末、首都リュブリャナの北東約30 kmのセラ・プリ・カムニク村の私有地に建てられた。AFP通信などが報じた。
高さは8メートルで、トレードマークの青い背広に白いシャツ、赤いネクタイに身を包み。真四角な顔で、ニューヨークの「自由の女神」のように右腕を突き上げている。
像の作成者であるトマス・シュレグルさんはAFP通信に対して「戦後初めて、ポピュリズムが台頭している」として、トランプ大統領や、イギリスのジョンソン首相の名前を挙げた。その上で「民主主義について、人々の目を開かせたい」と、語っている。
トランプ氏の像は地元住民に不評なため、ハロウィーンの10月31日に焼却処分される予定だ。