トランプとプーチン、2人は仲良しアピール⇒米・共和党議員「恥ずべきことだ」と失望隠さず

当のトランプ大統領はプレゼントをもらってご満悦。
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7月16日、アメリカのトランプ大統領(左)にサッカーボールを手渡すロシアのプーチン大統領
Chris McGrath via Getty Images

アメリカのトランプ大統領は7月16日、ロシアのプーチン大統領とフィンランドの首都ヘルシンキで会談した。

冷戦終結後、過去最悪レベルまで冷え込んでいる両国。2016年アメリカ大統領選でロシアが介入したとされる疑惑(ロシアゲート)をめぐり、トランプ氏がどのような姿勢をとるのか注目が集まっていた。

トランプ氏は会談後の記者会見で「建設的な数時間を過ごした」として、関係改善をアピール。ロシアへの批判を封印した。

■トランプ氏「ロシアと結託していない」 プーチン氏を擁護

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Chris McGrath via Getty Images

ロシアゲートをめぐっては、疑惑を捜査しているロバート・モラー特別検察官が13日、民主党候補だったヒラリー・クリントン氏や民主党陣営にハッキング攻撃をしたとしてロシア軍情報当局者12人を起訴した。

これについてトランプ氏は会見で「(トランプ陣営は)ロシアと結託していない」と主張。疑惑を全面否定するプーチン氏に寄り添った格好だ。

プーチン氏も「魔女狩りだ」として関与を否定した。

■プーチン大統領がサッカーボールをプレゼント

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Chris McGrath via Getty Images

共同記者会見での両大統領による関係改善のアピールはさらに続いた。

会見の途中、プーチン氏は「大統領、このボールを差し上げます」と笑顔でW杯のサッカーボールをトランプ氏に手渡すサプライズ演出を見せた。

プーチン氏は「ボールはいま、アメリカ側のコートに移った」と発言。トランプ政権がよく用いる「ボールはロシア側にある」という表現へのオマージュでもある。

トランプ氏は嬉しそうに「ボールは息子バロンにあげるよ」と、前に座る報道陣側にボールを投げた。

■ヒラリー氏「どちらのチームの代表かわかってる?」

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Aaron Bernstein / Reuters

今回の米露首脳会談は、ロシアゲートをめぐってロシア当局者が起訴された直後。トランプ氏が首脳会談でどのような姿勢をとるのか注目が集まっていた。

また、シリア情勢やクリミア半島併合などでロシアは国際的に孤立しつつある。そんなロシア側と会談すること自体に懐疑的な声もあった。

ヒラリー・クリントン氏はTwitterで、ワールドカップに触れつつ「プーチン氏と会談するトランプ大統領に質問。あなた、どちらのチームの代表かわかってる?」とTwitterでチクリ。

会談後には「さて、いま私たちは(トランプ氏がどちらの代表か)わかった」と皮肉った。

■共和党議員からも「恥ずべきことだ」

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Joshua Roberts / Reuters

身内の共和党からも批判の声が上がった。

ジェフ・フレーク上院議員は「アメリカの大統領がロシアの大統領と一緒にステージに立って、ロシアの侵略をアメリカのせいだと責め立てる日が来るなんて、考えもしなかった」とトランプ氏を批判。「恥ずべきことだ」と失望を隠さなかった。

リンゼー・グラム上院議員もトランプ氏を批判。「トランプ氏は、2016年の大統領選への関与でロシアに責任を負わせて、将来の選挙について警告を発する機会を逃した」と批判。「今回の会談でロシアは、トランプ氏の回答をアメリカの弱さだと受け止め、(問題を)解決するどころか、より一層の問題をもたらす」とした。

さらにグラム議員は「私なら、サッカーボールに盗聴器が仕掛けられていないか調べて、絶対にホワイトハウスには置かない」とトランプ氏を皮肉った。