ドナルド・トランプ氏、一転して富裕層への増税を主張

アメリカ大統領選で共和党の候補指名獲得を確実にした実業家のドナルド・トランプ氏は、富裕層の税率を引き上げるべきとの認識を示した。
Open Image Modal
Republican U.S. presidential candidate Donald Trump speaks at a campaign rally in Eugene, Oregon, U.S., May 6, 2016. REUTERS/Jim Urquhart/File Photo
Jim Urquhart / Reuters

アメリカ大統領選で共和党の指名獲得を確実にした不動産王、ドナルド・トランプ氏は5月8日、NBCテレビなど地元メディアで、大統領になれば富裕層への課税を強化し、労働者の最低賃金を引き上げる考えを表明した。2015年に公表した経済政策を一転させた形だ。時事ドットコムは次のように報じた。

トランプ氏は「富裕層はより多くの税を払うことになるだろう」と指摘。これまで発表した税制案について、大統領になれば議会との交渉で変わることもあり得ると強調した。「小さな政府」を志向する共和党は増税反対が基本路線。トランプ氏は自身の人気を支える低所得層へのアピール強化を狙ったとみられる。

 

一転、富裕層増税を主張=トランプ氏:時事ドットコムより 2016/05/09 11:41)

トランプ氏は、自分の優先課題は富裕層支援ではなく、法人や中産階級への減税だと説明。最低賃金引き上げへについては「時給7ドル25セントで、どうやって生活しろと言うのか」と述べたが、この問題については各州の決定に委ねると語った。方針変更について尋ねられると、「変わってもいいだろう。柔軟性が必要だ」と述べた

トランプ氏は2015年9月に発表した税制改革案で、富裕層を含む「全国民の減税」を掲げ、所得税の最高税率を現在の39.6%から25.0%に引き下げると表明。選挙戦では企業の負担増になる最低賃金の引き上げに反対してきたが、立場を反転させた。

関連記事