アメリカのトランプ大統領が小さな女の子とにらみ合う彫刻が10月1日、ロンドン郊外のバッキンガムシャー州に「お目見え」した。アメリカの現職大統領の像がなぜ他国であるイギリスに出現したのか。
トランプ像が対峙する少女は、イギリスを代表する児童文学作品「マチルダは小さな大天才」の主人公マチルダ。特殊能力を駆使して、子供嫌いで暴力的な女性校長ミス・トランチブルを追い出す痛快劇だ。
作者のロアルド・ダールさんは1990年に亡くなったが、作品が出版されてからこの日で30年を迎えるのを記念して、ダールさんの遺品などを管理する会社(ロンドン)が彫刻を制作。ダールさんの記念館近くに設置された。
インディペンデントによると、同社は彫刻の設置に当たり、「マチルダが今、実在するとしたら誰に立ち向かっているか」などとするアンケート調査をイギリス人に実施。イギリスのテリーザ・メイ首相やジャーナリストのピアーズ・モーガンさんらを抑え、最も多くの回答者が名前を挙げたのがトランプ大統領だった。
これを受け、同社はトランチブルに代わる対立者としてトランプ氏を彫刻にすることにした。
企画の担当者は「人々はトランプ氏の中にトランチブルに似た特徴を見出したのでしょう。この作品は時代を超えて読まれる物語です」と話している。
一方アンケートでは、マチルダが就く職業などについても質問。最も多かったのが学校の先生で、国連大使と答える人もいた。友だちになっている人を尋ねる質問に対しては、映画「ハリー・ポッター」シリーズに出演したエマ・ワトソンさんや、ハリー王子と結婚したメーガン妃らの名前が挙がった。