新型コロナウイルスに感染して選挙活動を中止していたトランプ大統領が10月12日、フロリダ州サンフォードで大規模集会を開き、本格的に選挙運動を再開させた。
トランプ大統領はマスクを着用せずに支持者の前に立ち「新型コロナウイルスを恐れるな」と告げた。
そして、集まった支持者を前に「私には免疫がある。力がみなぎっている」と主張。
「この群衆の中に歩いていって、全員にキスしてもいい。男性も美しい女性も、全員にキスできる。あなたにブチュっとしたでかいキスができるんだ」と叫んだ。
ホワイトハウス専属医のショーン・コンリー医師は12日、新型コロナウイルスの簡易検査でトランプ大統領は数日間続けて陰性であり、感染の恐れはないと発表した。
しかし簡易検査では誤判定が出ることもある。また、感染の恐れはないという主張に疑問を持つ専門家もいる。
CDC(アメリカ疾病対策センター)のガイドラインは、最初に症状が現れてから少なくとも10日間の隔離を求めており、特に入院して酸素吸入が必要になるなど症状が深刻な患者の場合は、最大で20日間の隔離を推奨している。
アメリカではこれまでに、21万5000人以上が新型コロナウイルスで死亡しているが、トランプ大統領は新型コロナウイルス感染が拡大する中でも、大規模集会を開いてきた。そして集会ではマスクをせずにスピーチをした。
一方、民主党大統領候補のジョー・バイデン氏は集会を小規模にとどめ、円を描いてソーシャルディスタンスを保つなどの感染防止対策をとってきた。トランプ氏はこういったバイデン氏の感染対策も攻撃した。
「もう一方の候補者は、必死に働いて働いて、ようやく30人が集まる。彼らはその30人を馬鹿げた円の中に入れている。彼らが円を描くのは、それしか会場を埋める方法がないからだ」
トランプ大統領はまた、国のリーダーとして、リスクをとって支持者の前に出なければいけないとも主張した。
「私は地下室に閉じ込められる必要はない。そんなことを許さない。外に出なければいけない。リスクはあるが、出なければいけないんだ」
バイデン氏は12日に開いたオハイオ州のイベントで、新型コロナウイルスに感染して間もないトランプ氏が、大勢の群衆の前で演説したことを批判。「大統領を長くやればやるほど、彼は無謀な行動に出るようだ」と警告した。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。