アメリカ・ウィスコンシン州ケノーシャで、2人を銃撃して死亡させた17歳のカイル・リッテンハウス被告を、トランプ大統領が擁護した。
リッテンハウス被告は8月25日、ケノーシャで人種差別や警察の暴力に抗議していたデモ参加者を銃撃。その後、複数の罪で起訴された。
8月31日にホワイトハウスで開かれた記者会見で、トランプ大統領はリッテンハウス被告がデモ参加者を攻撃したことを「興味深い状況だ」と述べた。
そして、ライフルを所持していたリッテンハウス被告は正当防衛だったかもしれない、と主張した。
「彼はおそらくデモ参加者から逃れようとして、転倒したんだろう」「デモ参加者がひどく暴力的に、彼を攻撃したんだ」
大統領はさらに「彼はとても危険な状況にいた。殺されていたかもしれない。今、調査が行われている」と続けた。
BBCなど複数のメディアは、リッテンハウス被告がトランプ大統領支持者であったと指摘している。
自警団と名乗り、武器を持ってケノーシャに来た
ケノーシャでは、8月23日に黒人のジェイコブ・ブレイクさんが警察から背中を複数回銃撃された後、人種差別や警察の暴力に反対する抗議デモが起きた。
約20マイル離れたイリノイ州アンティオックに住むリッテンハウス被告は、ケノーシャの建物を守ると自警団と名乗って、武器を所持してケノーシャにやって来た。
銃撃の現場で撮影された動画には、リッテンハウス被告と思われる人物が、セミオートマチックライフルを持っている様子がうつっている。その人物は転倒した後、彼の方に向かってきた2人のデモ参加者を撃った。
そして、周囲の人々が「人が撃たれた」と警察に叫んでいる間、両手をあげて警察に向かって歩いていった。
銃撃で、アンソニー・フーバーさんとジョセフ・ローゼンバームさんが亡くなり、ボランティアで救急医療にあたっていたゲイジ・グロスクロイツさんが腕を怪我した。
ポートランドの暴力も擁護
31日の会見で、トランプ大統領は各地で起きている衝突や混乱を「左翼の政治的な暴力だ」とも主張し、民主党や民主党州知事、さらに民主党大統領候補のジョー・バイデン氏に責任があると述べた。
さらに、オレゴン州・ポートランドでトランプ大統領支持者や右翼団体がペイントボールや催涙ガスで、デモ参加者を攻撃していることについて「ペイントは自衛のためだ」と、デモ参加者を攻撃する人々を擁護した。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。