トランプ氏、中絶規制が強まる可能性を示唆「女性は中絶を認めている州に行かなくてはならない」

「中絶について、もし判決が覆ったら問題は各州に戻されるだろう」
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ドナルド・トランプ次期大統領は11月13日、CBSの『60ミニッツ』に出演し、中絶に反対の立場の最高裁判事を任命するという選挙公約を踏まえ、中絶を認めた1973年の「ロー対ウェイド事件」の判決が覆された場合、女性が中絶するためには「別の州に行かなければならない」と述べた。

「ロー対ウェイド事件」とは、1970年、テキサス在住のジェーン・ローがレイプで妊娠したため中絶を望んだが、州法が定めた「母体の生命が危険な状態」に該当しなかったため中絶手術を受けられなかった。また、彼女は貧しかったため、中絶が合法されている州に行くことができなかった。

ジェーン・ローは合衆国憲法修正第14条が女性の中絶の権利を保障しているとして提訴し、1973年、最高裁は妊娠中絶の権利を保証し、中絶を規制する法律を違憲とした。

勝利後初めてインタビューに答えたトランプ氏は「中絶について、もし判決が覆ったら問題は各州に戻されるだろう」と述べた。

「そうすると中絶を受けられない女性も出てくるのでは?」と、ジャーナリストのレスレイ・スタル氏が尋ねた。

トランプ氏は「そう、まあ、たぶん行かなくてはならないだろう。女性は他の州まで行かなくてはならない」

スタル氏が「それは容認されると思いますか」と尋ねると、トランプ氏は「成り行きを見守ってほしい」と述べた。

「どうなるか様子を見よう。長い道のりだということは伝えておく。長い、長い道のりになる」

トランプ氏が女性の性と生殖に関する権利について何をするつもりなのかははっきりしない。トランプ氏は中絶についてさまざまな態度を取ってきたが、全体像はつかめない。

女性が中絶する権利を認めた1973年の「ロー対ウェイド事件」の画期的な判決を完全に無効にするには、しばらく時間がかかるだろう。なぜなら最高裁内のバランスを変えるためには、現在1人が欠員で、リベラル派と保守派の判事が4人ずついる最高裁で、欠員補充が必要になるからだ。

しかし大統領として、トランプ氏は徐々に中絶を禁止にしていくことができるだろう。トランプ氏は最高裁の人事で「中絶反対の判事」を任命し、州によって中絶を禁止できるようにすれば公約を果たせる。トランプ氏は中絶問題について「各州に戻される」と繰り返した。さらに副大統領候補でインディアナ州知事のマイク・ペンス氏は、これまで中絶に反対し、自身が知事を務める州で性と生殖に関する権利を制限してきた。

トランプ氏は3月、中絶をする女性は罰せられるべきと発言したが後に撤回した

トランプ氏は興味深いことに中絶には反対しているが、13日、最高裁が昨年アメリカ全土で合法化を認めた同性婚を「済んだ話だ」「解決済み」と言って容認している。

「この問題はすでに解決済みだ。法律で認められている。最高裁で決定された。つまり、もう済んだことだ。それで構わない」と、トランプ氏は述べた。

トランプ氏は結婚の平等を支持しているかどうかには言及しなかったが、ペンス氏はそれが「社会の崩壊」を招くと述べている。またペンス氏は、同性愛者には、LGBTのための「コンバージョン・セラピー」(性的指向を変える治療)を選択させ、サポートすることが必要だと考えている。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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