「大統領の日」抗議デモにスパイサー報道官は「報酬を得て参加している者がいる」と主張

「私の大統領の日ではない」
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Anti-Trump protesters march towards the White House during Not My President's Day rally in Washington, U.S., February 20, 2017. REUTERS/Yuri Gripas
Yuri Gripas / Reuters

アメリカで2月の第3月曜日は、歴代大統領の功績を称える「大統領の日」。本来は大統領に敬意を表す祝日だ。しかし2017年は、多くの人がこの祝日にドナルド・トランプ大統領への抗議デモに繰り出した。

私の大統領の日ではない」と名付けられた集会は、ロサンゼルス、ニューヨーク、シカゴ、オースティン、アトランタ、フィラデルフィア、デンバー、ワシントンなど、アメリカ全土24以上の都市で行われた。

オルガ・レクセルさん(24)は、ロサンゼルスのシティーホールでの抗議デモの計画に協力した。Facebookで宣伝し、他の都市からも関心を集めた。レクセルさんはニューヨークとシカゴでボランティアを集め、今回の抗議デモを計画した。姉妹デモのほとんどが草の根ボランティアによって自主的に行われ、トランプ氏の政策が彼らの都市にどのように影響を与えているかにフォーカスしている。

レクセルさんによると、ロサンゼルス市民は難民の規制、オバマケアの撤廃、不法移民の国外追放、気候変動に政策、サンクチュアリ・シティ(不法移民に寛大な「聖域都市」)への政府支出削減、そしてメキシコ国境との間の壁の建設について「非常に懸念している」と話した。

街にいた反トランプデモの参加者たちは、トランプ氏の選挙集会でよく使われた反ヒラリー・クリントンのスローガン「彼女を投獄せよ!」をまねて、「彼を投獄せよ!」と叫んだ。

ロサンゼルスで、「私の大統領じゃない」 の合言葉が大きな輪になっている...

「トランプ反対!KKK反対!ファシストなアメリカ反対!」。「私の大統領の日ではない」 の抗議デモで、参加者たちがロサンゼルス市庁舎で叫んでいる。

何千人もの人がニューヨークのトランプタワーの外に集まって、難民を守るためにカラフルな看板を掲げ、政権の不祥事を非難し、弾劾を求めた。 あらゆる世代の家族や個人が、「私の大統領ではない!」と「黒人の命は大切だ」と声を上げた。

絶対に私の大統領ではないし、私の家族の大統領でも、私の友達の大統領でもない!

買い物に行ったのだが、反トランプラリーで終わった。

ニューヨークで働くメルセデス・ビスカイーノさん (42)は、理科教師の友人と抗議デモに参加した。

「この国で起こっていることに加担しないために、立ち上がることが大切だと思います」とビスカイーノさんは語った。 「わたしたちが知っている民主主義は脅かされています。 私が大切にしてきた、消滅するなんて考えたこともない私の自由が、今、奪われるかもしれないんです」

ニューヨークの「私の大統領じゃない」デモの規模が大きくなって、バリケードで塞がれて前方に辿り着けないほどだ。

ニューヨークの弁護士ブライアン・バージさん(33)は、5歳と3歳の2人の娘を連れてデモにやってきた。

「トランプの政策はとても恐ろしい。彼の支持者たちは、政府の高官でもないのに空論に走っている」

バージさん は、トランプ氏の政策が娘たちの未来に影響を与えるのではないか心配していると言った。

「長い間落ち着いていた貿易戦争、そして実際の戦争で消耗するリスクが高まっているんです」

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ブライアン・バージさん (33) は、2人の幼い娘と母親と共に、ニューヨークシティで行われた「私の大統領の日ではない」デモに参加した。HAYLEY MILLER/THE HUFFINGTON POST

ニューヨークの元小学校教師リチャード・ランフさん(66)は、トランプ氏が政権を握るまで、デモに参加したことはないと語った。ランフさんは、ベッツィ・デヴォス教育長官の就任にも反対するため、デモに参加した。

「デボスは基本的に公教育について全く理解していません」と、ランフさんは話した。「彼女はチャーター・スクール(親や教員・地域団体などが州や学区の認可を受けて設ける初等中等学校)を推進しようとしているので、公教育は駄目になってしまうでしょう」

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リチャード・ランフさん(中央)はニューヨーク州ニューロシェルからニューヨーク市のデモ「私の大統領の日ではない」に参加した。HAYLEY MILLER/THE HUFFINGTON POST

シカゴでは数百人の抗議者がトランプ・インターナショナル・ホテル&タワーの前でデモをした。参加者は、自分たちがデモに行くきっかけとなった多くの懸念事項を書き連ねた。移民問題、科学や芸術活動への助成、性と生殖に関する権利、そしてトランプ氏の「未熟で」「独裁的な」傾向とみなされていることなどが挙げられた。

シカゴで反トランプの抗議がちょうど今始まったところ。

ビアンカ・カストロさん(15)は大統領の日で学校が休みだったため、2人の友人と一緒にシカゴのデモに参加した。彼女たちによると、クラスメートと友人たち、特に入国に必要な書類を持っていない移民(不法移民)の中には、トランプ氏の下で新たな不安を感じている人もいるという。

「彼らは家に閉じこもっています。親が連行されたり警告を受けたりした人もいます」と、ビアンカさんは話した。

つながり合う人々。引き裂かれることはない!

「私の大統領の日ではない」 抗議デモは、1月21日に行われた女性たちによるデモ行進「ウイメンズマーチ」以降続く異議申し立ての最新の動きだ。トランプ氏が難民受け入れを停止し、イスラム圏7カ国からの入国を禁止する大統領令を出した時、抗議デモ参加者は国内各地の空港に集結した。2月16日には移民の経済的役割を訴える「移民のいない日」の抗議デモがあり、多くの飲食店や施設が休業した。

「多くの参加者が、私たちの団結に力を貸してくれました。その多くが女性です」と、レクセルさんはハフィントンポストに答えた。「反トランプ運動を主導しているのは、女性たちです」

アメリカよ、#大統領の日おめでとう。これまでも優れた大統領がいたし、またそうなることを信じている。

人種差別、同性愛嫌悪、性差別、イスラム嫌悪、女性嫌悪、身障者差別、無知、腐敗政治体制、弱い者いじめ、外国人嫌悪、気候変動否定、憎悪、偏見を、私は受け入れない。私の考えではない、私の価値観ではない、私の信念ではない、そして絶対に、私の大統領ではない。

この人たちに手出しをしないで。#grannypeacebrigade #protest

トランプ大統領は2017年1月に、「アメリカ人には抗議する権利がある」とツイートしたが、その後すぐにもとの主張に戻り、抗議デモを非難した。

平和的な抗議は私たちの民主主義の証となるものだ。必ずしもその内容に同意ではなくても、自分の考えを表明する人々の権利を私は認める。

プロの体制破壊主義者、暴漢、雇われ抗議者たちが、「アメリカを再び偉大な国に!」と投票した何百万もの人々の言い分を証明している。

ホワイトハウスのショーン・スパイサー報道官も、抗議デモ参加者たちのなかには、報酬を得てデモに参加している者がいると主張している。

20日のデモは、主にFacebookと口コミで集まったとレクセルさんは言った。レクセルさんはロサンゼルス抗議デモに友人のヘザー・メイソンさん(28)と計画した。

「これまで私たちは、これほどの大規模なデモや集会を計画したことはありませんでした。だけど私たちの声を聞き入れてもらうために、何かしなくちゃならないと思ったんです」と、レクセルさんは言った。「最近、トランプが移民排斥の感情を高めていることに恐怖心を抱いています。私自身移民なので、恐ろしいことなのです」

メイソンさんは、カリフォルニアの住民には、トランプ政権へのレジスタンスを導く責任があると思うと語った。

「トランプが当選した後、私は泣きました。正直言って、体調も崩しました」と、メイソンさんは言った。「何日もの間惨めで憂鬱でした。そこで「アクション・グループ・ネットワーク」に参加して、無気力にならないためには何ができるか、友達と話し合いました」

レクシルさんにとって、トランプ大統領になって唯一良かったことは、より政治に関わるようになり、リベラルの政治家に寄付するようになり、各姉妹都市の抗議デモのグループと組織を作るようになったことだ。

「私の携帯電話を見ると、最近の着信履歴は全部議会の人です。こんなこと今までありませんでした」と、レクシルさんは語った。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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