“超”ダイバーシティって何? 色んなマイノリティの人たちで作る芸術祭始まるよ

パラリンピックまで1年。違いを受け入れ、支え合う芸術祭が始まります

障がい・性・世代・言語・国籍など、あらゆる多様性があふれた人たちが、力を合わせて作る芸術祭「True Colors Festival―超ダイバーシティ芸術祭―」(日本財団主催)が、パラリンピックを1年前にしてスタートする。

アンバサダーに就任したのは、個性やマイノリティーについてのさまざまな発信を続ける、りゅうちぇるさん、乙武洋匡さん、ラブリさん、IVANさんの4人だ。

1年間続くというこの芸術祭。一体どんな内容になるのだろうか。

8月23日に開かれた記者会見で、主催者とアンバサダーたちが、「True Colors」と「超ダイバーシティ」に込めた思いを語った。

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(左から)りゅうちぇるさん、乙武洋匡さん、ラブリさん、IVANさん

■ 色々な個性を持った人が、表現する場所に

超ダイバーシティ芸術祭のベースになっているのは、日本財団が2006年からラオスやベトナム、シンガポールなどアジア各国で開催してきた「障害者芸術祭」だ。

同芸術祭では、“支援される人”と考えられ、家の中に隠されがちだった障がいを持つ人たちが、表現者としてステージの上でパフォーマンスすることで、社会の障がい者に対する意識の変化を後押ししてきた。

その障害者芸術祭が、日本で初めて開催されるのに合わせて、「True Colors Festival―超ダイバーシティ芸術祭―」となった。

True Colors Festivalでは、障がい者アートに限定せず、性別や言語、国籍、年代など、様々な特性に光を当てる。

True Colorsという名前について日本財団の笹川陽平会長は、「障がい者という言葉を使うと健常者との区別のようになってしまいます。もっといい言葉を探そうということでTrue Colorsにしました。障がい者、マイノリティの皆さん、外国の皆さんも含めて、色々な人が持っている才能や個性を表現してもらおうという意味です」と話す。

■どんなことをやるの?

True Colors Festivalの開催期間は2019年9月〜2020年7月。1年間かけて、ダンスやジャズ、ミュージカル、ファッション、演劇など、様々な分野のパフォーミングアーツイベントが開催される。

最初のイベントとなるのは、9月10日に渋谷で開かれるダンスグループ「ILL-Abilities(イルアビリティーズ)」による、ダンスバトルだ。

多国籍なメンバーがからなる障がい者ブレイクダンスチーム、ILL-Abilitiesが、日本や世界のトップダンサーたちと、エキシビジョン・ダンス・バトルを繰り広げる。

また10月には、アルゼンチン出身の打楽器演奏者で作曲家サンティアゴ・バスケス氏による、音楽フェスティバルが開かれる。

両イベントでは、一般の人も参加できるワークショップも設けられ、ILL-Abilitiesやバスケス氏から、直接ダンスや音楽づくりを学べる。

アーティストによるパフォーマンスを鑑賞するだけでなく、誰もが参加したり、学んだりできることも、この芸術祭のコンセプトになっているという。

■アンバサダーも色々なカラーのある人たち

アンバサダーの4人も、障がいや性、国籍など、さまざまな面での個性を持っている人たちだ。

モデルでタレントのIVANさんは、「私の場合はトランスジェンダーとして発信していることが多いので、マイノリティと言われている人たちのためにも、生きやすい社会を、このイベントを通して広めていけたらなと思っています」と語った。

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IVANさん

同じく、モデルやタレントとして活躍するりゅうちぇるさんは、True Colors Festival用に自分がデザインしたTシャツを着て登場。

りゅうちぇるさんは幼い頃から、可愛いものが好きなことや、メイクに興味があることをからかわれてきた。Tシャツに書いたBelieve in your True Colorsに込めた願いについて、こう語った。

「自分を偽らず、自分のままに生きて行きたい。このTシャツにも書いたんですけれどBelieve in your True Color(あなたのカラーを信じて)。僕も、本当に自分の色を信じて生きて生きたいという風に思っていたら、大切な人にも大好きな仕事にも巡り会えました」

「そして皆さんに応援してもらって、ようやく今の自分になれた。だからみんなが少しでも自分の色で輝けるように、今回のイベントを通して皆さんに伝えることができたらなと思っています」 

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りゅうちぇるさん