東京レインボープライド開幕、LGBTQ当事者たちが思い語る 「自己アピールの必要なくなるくらい普通に接してくれたら」

「我々も普通の人と何ひとつ変わることなく、頑張って生きているんだということを理解してもらい、普通に接してもらえたら嬉しいと思います」(三ツ矢雄二さん)
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Kumi Hatano / HuffPost Japan

ゴールデンウィーク中の4月29日から5月7日にかけて、LGBTQなどのセクシュアル・マイノリティ(性的少数派)への理解を深めるイベント『東京レインボープライド2017』が開催される。

イベント初日となる29日、東京都庁の展望室にあるカフェでオープニングレセプションが開かれ、イベントを主催するスタッフや賛同企業・自治体の有志が集結し、一般来場者とともに同イベントの開幕を祝った。

2017年1月にテレビ番組でゲイをカミングアウトしたことが報じられた声優の三ツ矢雄二さんもレセプションに参加、意気込みを語った。

「私がまだ20歳そこそこの頃、今から40年以上になりますが、新宿二丁目はもっと静かな町で、みんな顔を隠しながらゲイバーなどに通っていました。それが今はこんなにオープンになって、注目を浴びるようになった。この40年近い間に、いろいろな人が努力をしてきたからだなという歴史を感じています」

「我々も普通の人と何ひとつ変わることなく、頑張って生きているんだということを理解してもらい、普通に接してもらえたら嬉しいと思います。(セクシュアル・マイノリティの人々が)自己アピールをする必要がなくなるくらい普通になってくれたら、もっと素晴らしい世の中になると思っています」

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レセプション中のミニトークに参加する特定非営利活動法人東京レインボープライド代表理事の杉山文野さん(左)、三ツ矢雄二さん(中)、女優の東ちづるさん(右)。

オープニングレセプションの終盤には、2006年にデビューし、性同一性障害を公表したシンガーソングライターの中村中(なかむら あたる)さんがスペシャルライブを行った。

中村さんは、1960年代に活躍したアメリカ人のユニット、サイモン&ガーファンクルの代表曲「サウンド・オブ・サイレンス(The Sound of Silence)」のカバーや「友達の詩」など3曲のパフォーマンスを披露。

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ライブ中に中村さんは、「私と似たような境遇の方のことを接していると、やっぱり、“かっこいい人間”にならなきゃいけないなって思うんです」と語り、自身のセクシュアルティを公表しながら音楽活動をしていくことについて胸中を明かした。

「私だけじゃなくて、ここに集まっている方々、レインボーウィークを引っ張っていくみなさんが、“かっこいいんだよ”っていうところを見せてほしいです。外から来た人たちに、“LGBTってかっこいいんだよ”って。つまり、一人ひとりがかっこよくいてほしいって思うんです」

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中村さんの力強い歌声が会場に響いた。

『東京レインボープライド2017』のテーマは、「CHANGE(チェンジ)」。4月29日から9日間にわたり、LGBTQに属する人々が差別や偏見にさらされることなく、より自分らしく生きていける社会の実現を目指すため、セクシュアル・マイノリティをテーマにしたセミナーやキャンペーンを展開していく。

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東京レインボーウィークの共同代表理事を務める山縣真矢さん(左)、杉山文野さん(右)。

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レセプションに来場していたドラァグクイーン、ライターのエスムラルダさん。

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会場の様子。

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イベントの最後には、東京レインボーウィーク2017を盛り上げるスタッフら全員がステージに登壇した。

5月6日・7日には、東京都代々木公園でメインイベントとなる『パレード&フェスタ』も開催される。参加者は、イベント賛同企業などが出展するブースや、中島美嘉といったアーティストたちによる野外ライブを楽しめる。最終日となる7日には、LGBTQの当事者や支持者が参加する大型パレードも行われる予定だ。

ハフポスト日本版では、東京レインボープライド開催期間中、セクシュアル・マイノリティをテーマにした記事を順次掲載していく。