ライオンなどの野生動物を趣味で射殺する「トロフィーハンティング」団体がオークション開催

「動物保全を謳った詐欺だ」
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ラスベガスのマンダレイ・ベイ・コンベンションセンターで2月1日〜4日、アメリカの狩猟家団体「サファリクラブ・インターナショナル」(SCI)が主催するオークションイベント「アニュアル・ハンターズ・コンベンション」が行われた。

このイベントは、合法的に趣味として行う野生動物の猟をする「トロフィーハンティング」のハンターたちが狩猟権をオークションにかけるもの。

狩猟権をめぐってオークションにかけられるのは、カナダのホッキョクグマ、ナミビアゾウ、アフリカヒョウなどの動物だ。

2万5000人近いハンターがこのコンベンションに参加し、またオークションの収益は530万ドル(約6億円)以上になるとされている。

トロフィーハンティングはこれまでも動物保護団体から批判を浴びている。特に2015年、アメリカの歯科医師のウォルター・パーマー氏がジンバブエで最も有名だったライオン「セシル」を射殺し、頭を切り落としたことは世界中の非難を浴びた。

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自身が猟をした「トロフィー」の一つと一緒に撮影する、アメリカの歯科医師ウォルター・パーマー氏(左)

トロフィーハンティングの支持者たちは、こうして狩猟権のオークションで多額の資金が集まることが、野生動物の保全につながると主張している。

しかし動物保護団体「ヒューメイン・ソサエティー・インターナショナル」事務局長ジョアナ・スワベ氏によると、このイベントは「動物保全を謳った詐欺」だと批判する。

「このオークションは、サファリクラブ・インターナショナルのイベントの中でも最も重要なもので、ここでは1000頭近い動物の命が『金を払って狩る』ためにオークションにかけられ、トロフィーハンターたちに売られるのです」と、スワベ氏は語った。

オークションにかけられる中で、狩猟権が最も高額な動物のいくつかを紹介しよう。

カナダホッキョクグマ――7万2000ドル(約800万円)

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LYNN_BYSTROM VIA GETTY IMAGES

生後10日のカナダホッキョクグマの狩りは「生涯忘れることのないスリル」を約束すると、狩猟権の説明に記載されている。

ホッキョクグマの狩猟方法はライフルとされており、イベントの主催者は「自分だけの記念のアルバムを作るため、狩猟中の旅行の記録を写真に撮るように」と書いている。

ナミビアゾウ2頭―― 3万5000ドル(約390万円)と2万5000ドル(約280万円)

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FRANCESCO VANINETTI PHOTO VIA GETTY IMAGES

ナミビアゾウの狩猟方法は、ライフルとされている。

アフリカヒョウ8頭 ――1万6500ドル(約185万円)〜8万1400ドル(約910万円)

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ALI JAREKJI / REUTERS

これらのアフリカヒョウの狩猟権は、クロテンやインパラなどの他の動物と合わせたセットになっている。

グリズリー3頭 ――2万1500ドル(約240万円)〜2万5000ドル(約280万円)

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PATRICK KIENTZ VIA GETTY IMAGES

グリズリーの狩猟方法はライフル、ボウガン、マズルローダーと記載されている。

アカシカ400頭まで――9万2000ドル(約1000万円)

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HOWARD PUGH (MARAIS) VIA GETTY IMAGES

ニュージーランドのアカシカを、雌鹿や大物の「タール」まで含め、400頭を狩る権利がオークションにかけられている。

狩猟方法は拳銃も含めた「ハンターの好きな方法」とされている。

南アフリカのワニ―― 1万3500ドル(約150万円)

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NAMIBELEPHANT VIA GETTY IMAGES

南アフリカでの生後10日のワニの狩猟権も、オークションにかけられている。

「これ以外にもたくさんの野生動物の狩猟権が、コンベンションではオークションにかけられます。ターゲットにされているのはアフリカの動物だけではありません。自衛手段のないヨーロッパの哺乳類もオークションにかけられ、トロフィーハンティングをすすめるサファリクラブ・インターナショナルに資金が集まるようになってしまっているのです」とスワベ氏は語った。

「ハンターたちはヨーロッパのシカにライフルを向け、また同じようにアフリカゾウにも銃の照準を合わせ、こうした収益が世界中で野生動物の保全を脅かすサファリクラブ・インターナショナルの支援になってしまっているのです」

「私たちが最も懸念しているのは、アメリカの政権が新しくなったことで、サファリクラブ・インターナショナルのような多額の資金を集めるグループが、野生動物の保全問題に対して極めてネガティブな影響を与えるのでは、ということなのです」

「トロフィーハンターたちは、動物を狩ることで野生動物の保全につながるという虚構をよく口にします。しかし、彼らがやっていることは動物保全を謳った詐欺と何ら変わりはありません。地元の社会に還元されるお金というのは、本当にわずかなのです」

「真の動物保全というのは、残虐な方法で動物の命を奪うのではなく、動物の命を救うということなのです」

ハフィントンポストUK版はサファリクラブ・インターナショナルにコメントを求めたが、回答はなかった。

サファリクラブ・インターナショナルのウェブサイトでは、この団体は「野生動物の保全と野外教育のための世界規模のプログラムに、資金を提供し指導する非営利団体」だと記載されている。

ハフィントンポストUK版より翻訳・加筆しました。

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