三つ子の傷害致死罪で実刑判決、母親がコメント「子どもたち、抱きしめることができました」

実刑判決受けた母親がコメント

生後11カ月の三つ子の次男を床にたたきつけて死なせたとして、傷害致死罪で実刑判決を受けた愛知県豊田市の母親(30)が3月22日、ネット上でコメントを発表した。母親はコメントの中で判決前に「子どもたちとの面会がかない、抱きしめることができました」と綴っている。

コメントの中で母親は、22日付けで保釈されたことや控訴を予定していること、カウンセリング治療を再開したことなどを明かした。

また、亡くなった次男については「一生をかけて償なっていきたい」。残る2人については「子どもたちとの絆を一日も早く取り戻し、母親としてできる限りのことをしたい」との思いを綴っている。

母親が弁護人を通じてコメントを発表したのは、岐阜県などで活動するNPO法人「ぎふ多胎ネット」のサイト上。

双子や三つ子など「多胎」を育てる家庭を支援する団体で、今回の裁判も毎回傍聴していたという糸井川誠子理事長は、執行猶予付きの判決をと訴えていた。

コメント(抜粋)は以下の通り。

 判決後、多くのみなさまが、みつご育児の大変さに共感して声をあげてくださったこと、減刑の署名をしてくださったことを弁護士の先生から聞きました。一人ではないと感じ、次男と残された二人の子どもたちへの思いや、孤独と絶望に押しつぶされそうな拘置所での生活の大きな心の支えになりました。本当にありがとうございました。

判決直前に事件以来約1年ぶりに、子どもたちとの面会がかない、抱きしめることができました。子どもたちとの絆を一日も早く取り戻し、次の判決までの間、母親として、現在施設でお世話になっている子どもたちにできる限りのことをしたいので、さきほど児童相談所に面会を再開してもらえるようお願いしました。

毎日次男を思い出し、胸が張り裂けそうな思いです。次男の命を奪ったことは決して許されることではなく、私の命をかけても償いきれないことだと思いますが、これからの一生をかけて償なっていきたいと思っています。

そして、残る二人の子どもたちの母でもあることを考えると、一日も早く子どもたちとともに生活していきたいと思います。

その際には、児童相談所にご指導いただき、また、家族、病院、カウンセラー、多胎支援や地域の方々など、多くのみなさまの助けを借りながら、しっかりと子どもたちに向き合っていくつもりです。

 

判決などによると母親は2018年1月、次男の泣き声にいらだって畳に投げ落とし、脳挫傷で次男は亡くなった。三人の中でも最も成長が遅く、母親を悩ませていた。

寝る暇もほとんどない過酷な三つ子育児で、母親はうつ病の状態だった。しかし責任能力はあったとして3月15日、名古屋地裁岡崎支部で懲役3年6カ月(求刑懲役6年)の実刑判決を言い渡された。

この判決に対し、SNSでも育児経験者を中心に擁護の声が広がった。署名サイトChange.orgでは「母親が子育てしながら罪を償えるように」と、執行猶予を求めるキャンペーンも始まった。3月22日時点で3万以上の署名が集まっている。

キャンペーンを開始した直島美佳さんも同じく三つ子の育児中だ。ハフポストの取材に対し「どうか、三つ子育ての過酷さを想像してください。私はたまたま大丈夫だった。でも何かが違えば、自分が彼女だったかもしれない」と、署名を始めた理由について語っている。

また、24日から一般社団法人日本多胎支援協会(JAMBA)でも筆記による署名を開始するという。