無料翻訳サイトに入力したとみられる内容が、ネット上で誰でも閲覧できる状態になっていることが分かった。不倫の示談など個人のやりとりだけでなく、日本の中央省庁や銀行、メーカーなどのメールの内容が、機密情報を含め、誰でも見える状態だった。
情報セキュリティー企業「ラック」の広報担当者によると、問題となっているサイトは「I Love Translation」というオンライン翻訳サービス。約70の言語に対応しており、無料で利用できる。このサイトは入力した内容がサーバー側に保存される仕組みとなっており、入力した内容や翻訳した内容は、誰でも閲覧することができる状態になっていた。
閲覧可能になっていたのは、日本人が海外の弁護士に送ったとみられる不倫の示談に関するメールや、個人輸入に使われたとみられる銀行の口座番号情報など、個人のやりとりとみられるメールばかりではなく、大手企業や中央省庁とのやりとりとみられるものもあった。生産調整や受注状況確認、人事・給与情報などのやりとりなどが、個人名を特定した形で表示されていた。
日本語から海外の言語に翻訳して保存されている内容が多く、同サイトは海外からの利用が多いとみられる。しかし、なかには外国語のメールの内容を、日本語に翻訳しているものもあった。
ラックの担当者はハフポストの取材に対し、「企業においては、機密文書を無料翻訳サイトを使って翻訳しないことを周知するなど、用心が必要だ。また、親が子供に教えるなど、ネットセキュリティーについて幅広く教育を行うことが根本的に必要」と述べた。
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