メキシコ湾で2010年に発見された体長約14cmの小さなサメが、新種であると判明した。
手のひらサイズのこのサメは、前方のフィンの近くにポケットのようなものがあるという。科学者によると、彼らはそこから発光する液体を吹き出すそうだ。
メキシコ湾周辺やニューヨークの科学者は、この新種をアメリカン・ポケット・シャーク(モリスクアマ・ミシシッピンシス)と名付けた、とAP通信は報じた。
今回の研究には関与していないフロリダ州立大学の科学者によると、現時点で確認されている500以上のサメの種類の中で、発光する液体を吹き出す種類は3種類目だという。他の2種は「ポケット・シャーク」と「テイリング・シャーク」として知られており、同様の腺が尾部の方についている。
科学的に知られているもう1つのポケットシャークは、ペルーの太平洋沖で発見された約40センチの成長したメス。今回、メキシコ湾沖で発見されたのは約14センチのオスの新生魚だった。
今回の発見は、米国海洋大気庁(NOAA)の魚類学者のマーク・グレイス氏によるもの。2010年にメキシコ湾のマッコウクジラの調査をしていた際に採取していた。標本の確認に約3年かかったというグレイス氏だが、このサメは採取され確認した最後の1袋に入っていたという。
その後、大学や博物館の科学者の協力のもと、2015年には、世界でその種で2度目の発見とされていたが、その後数年にわたる詳細の解明の末、新種であることが判明した。
グレイス氏ら研究者は、発光する液体は獲物や天敵から身を隠すためではないか、とジャーナル“Zootaxa”に記している。