新しいトランジスター技術の実証

従来のトランジスター技術は、その基本限界に急速に近づいており、次世代の高密度低消費電力チップエレクトロニクスでは、二硫化モリブデンなどの二次元半導体材料がシリコンの代わりになると考えられている。
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従来のトランジスター技術は、その基本限界に急速に近づいており、次世代の高密度低消費電力チップエレクトロニクスでは、二硫化モリブデン(MoS)などの二次元半導体材料がシリコンの代わりになると考えられている。特に有望なのは、従来型のシリコントランジスター(MOSFET)とは基本的に異なる方式で動作するバンド間トンネルトランジスターにおける二次元半導体材料の可能性である。しかし、総合特性がシリコントランジスターより優れたそうしたデバイスは、これまでほとんど実証されていない。今回K Banerjeeたちは、活性チャネルとして原子レベルの薄さのMoSを、ソース電極としてゲルマニウムを使って垂直構造を作ることで、トンネルトランジスターを作製した。このトランジスターは、既存のシリコントランジスターより優れたターンオン特性と低消費電力動作を示した。今回の結果は、超高感度バイオセンサー、ガスセンサー、そして低消費電力集積回路など、さまざまな電子回路用途で興味深いと考えられる。

Nature526, 7571

2015年10月1日

原文:

doi:10.1038/nature15387

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