シリコンは、現代のエレクトロニクスデバイスの主力であるが、赤外光検出用プラットフォームとしての性能は劣っている。V AdinolfiとE Sargentは今回、この欠点の解決策となる新しいデバイス構造を提示し、「光起電力型電界効果トランジスター」と名付けた。
このアイデアは、シリコン自体の光感度を操作しようとするのではなく、赤外光に敏感な量子ドットを主要な光応答素子として用いるというものである。
吸収された光によって量子ドット層に光起電力が生じ、生じた光起電力は、量子ドット層の下にあるシリコントランジスターの電子応答の調節に使われる。このシリコン系赤外光検出器の性能は、より複雑で高コストな半導体系を用いた最先端デバイスに匹敵する。
Nature542, 7641
2017年2月16日
doi:10.1038/nature21050
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