「トイレ法」を支持する州知事に、トランスジェンダー女性が写真で対抗

「自認する性に応じたトイレを使いたい」トランスジェンダーの願いを阻む知事に、ユニークな方法で疑問を呈した。

自分の認識する性別に応じたトイレを使いたい、というトランスジェンダーの人たちの望みを阻もうとする州知事に、トランスジェンダーの女性が1枚の写真で対抗した。

テキサス州に住むトランスジェンダー女性のアシュリー・スミスさんは、同州のサン・アントニオを訪れたグレッグ・アボット知事と一緒に撮った写真をFacebookに投稿した。

笑顔を浮かべるアボット知事は、自分の隣にいる女性がトランスジェンダーだとは気付いていない。


テキサス州では、トランスジェンダーの人たちが自分の認識する性別ではなく、出生証明書に書かれている性別に応じたトイレの使用を義務づける、いわゆる「トイレ法案」を審議していて、アボット知事はこの法案を支持している。

スミスさんは写真に #Bathroombuddy(トイレ友達)というハッシュタグをつけ、「知事が私をトランスジェンダーだとわからないのに、トイレ警察はどうやって私がトランスジェンダーだと認識するんだろう?」と綴っている。

写真は拡散し、大勢の人たちにいいね!やシェアされている。

地元のニュースサイト「サン・アントニオ・エクスプレス・ニュース」によると、スミスさんはこの日、アボット知事が2期目の立候補表明をした直後に、写真撮影を申し込んだ。

トイレ法案に反対するスミスさんは、大声でトイレ法案に反対しても聞いてもらえないだろうから、その代わりに写真という手段で訴えることにしたと語る。

「一緒に撮った写真の方が耳を傾けてもらえるし、興味も持ってもらえるのではないかと思いました。それに追い出されないし」

トイレ法を支持する人たちは「トランスジェンダーの人たちから、(特に女性が)トイレで暴力行為にさらされる危険がある」と主張している。しかし、トランスジェンダーの人が、公共トイレで誰かに暴力をふるったという事件は、今のところ1件も報告されていない

ある調査によれば、むしろ公共のトイレで暴力の犠牲になっているのは圧倒的にトランスジェンダーの人たちで、暴力を恐れて公共トイレを利用できない人たちもいる。

トランスジェンダーの人権活動家、モニカ・ロバーツさんは、ブログ「TransGriot」にこう綴っている。

「テキサス州の共和党員は、こういったアンチトランスジェンダー的な法案は『プライバシーを守るためだ』と主張していますが、それは違います。これはテキサス州のトランスジェンダーコミュニティをターゲットにした、法律による抑圧です」

「残念ながら、もしこの法案が成立した場合、圧倒的に悪影響を被るのは黒人や有色人種のトランスジェンダーコミュニティです」

ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。