アメリカ大統領選挙で共和党の候補者指名を確実にしているドナルド・トランプ氏(70)が、大統領就任時に環太平洋経済連携協定(TPP)から脱退する意向を表明した。NHKニュースなどが報じた。
ワシントンポストによると、トランプ氏が6月28日にペンシルベニア州で経済政策について演説を行った際に、「アメリカはレイプされ続けている」などと激しい言葉で、TPPを非難した。
TPPは大失敗だ。特別な利害関係をもつ奴らが、アメリカをレイプするために、この協定を結ぼうとしてきた。
ひどい言葉かもしれない。だけどアメリカはレイプされ続けている。
TPPは一部の裕福な人々によって締結されたが、彼らはさらに別の協定を結ぼうとすら考えている。
関税引き下げが、日本を含むTPP参加国からの輸入増を招き、アメリカの製造業を衰退させると主張。これまでもTPPについて否定的な立場を示していたが、「脱退する」と表現を強めた。支持率が低下する中、選挙戦の立て直しを意識したという見方も出ている。
6月28日、ハリウッドで演説するヒラリー・クリントン氏
■クリントン氏はTPPの旗振り役だった過去
自由貿易を推進するTPPには、日米など12カ国が2月に署名済みだ。民主党での候補者指名を確実にしているヒラリー・クリントン氏もTPP反対を表明しているが、トランプ氏は国務長官時代にTPPの旗振り役を務めていたクリントン氏は、いずれTPP支持に転じるとの見方を示している。
産経ニュースによるとトランプ氏は、この日の演説で「ヒラリーに対して、就任初日にTPPから脱退し、いかなる形での批准も無条件で拒否するつもりかどうかを尋ねてみるがいい」と疑問を投げかけたという。
関連記事