皆様 GWは如何でしたでしょうか?
天候に恵まれて楽しくお過ごしだったと存じます。
初夏というと何故か海が恋しくなるものですね。
というわけで、東京都の臨海副都心地区、お台場、関連地域でもございます豊洲・有明方面にもおいで頂いた方も多かったのではないでしょうか?
東京都が力を入れて開発をしております地域へのご来訪誠にありがとございます!
...しかし、そんなGWの臨海副都心開発事業の出鼻をくじく報道がございました。
「平成27年4月28日 中央卸売市場
中央卸売市場では、6街区における千客万来施設を整備・運営する事業予定者と基本協定書等の締結に向けて協議を行ってまいりましたが、本日、事業予定者である株式会社喜代村より事業辞退の申出がありました。」
...さらっと書いてありますが、こりゃぁ大変なことであります。「千客万来施設」は東京都が豊洲新市場(江東区)で、来年11月(!!)に開場する同時開設予定の商業・観光拠点でございます!
すでに、去る2月23日、住宅大手の大和ハウス工業が事業を辞退したあたりから、イヤーな予感がしていたところへ持って的中!したわけでございますね。
【読売報道】
「すしざんまい」も撤退、豊洲の集客施設白紙に(※5月13日現在リンク切れ)
"豊洲施設"めぐり舛添都知事が社長に反論(※5月13日現在リンク切れ)
あの名物社長に舛添都知事が苦言を呈した。
東京・築地市場の移転先・豊洲の商業施設「千客万来」の計画が白紙になった問題で、事業から撤退した「すしざんまい」を展開する喜代村の木村社長は、都と口頭で交わした約束が守られなかったと主張していた。
これに対し、舛添知事は1日、「(交渉は)オープンでしっかりやって、十分にペイする(採算がとれる)だけのものをやるのが、本当のビジネスマンのやり方だと思う」と反論した。また、「都の対応も含め、議論の上でルールがきちんと守られているか厳しくチェックしたい」としている。
【山崎孝明江東区長も都へ抗議文】
「都を信頼し、協議を見守ってきた本区としては、まさに寝耳に水。極めて遺憾」と、4月30日に抗議文を送ったとのこと。そりゃーごもっとも!
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出たぁ~
最近、そんな話しがあったよーな...
はい!例の、災害時の燃料備蓄が口頭程度にとどまり、事業者さんが理解してなく、備蓄されなかった例の事件です。
良い子の皆さんこちらです↓
口約束的に事業を展開した件を予算委員会で、これだけお姐が詰め寄っているにも関わらず、悪びれぬ舛添要一東京都知事は開き直って、撤退する民間事業者さんを批判される始末。
【朝日報道】
「すしざんまい」の喜代村に舛添都知事が猛反論です。
豊洲新市場に建設予定の商業施設の運営から撤退することを明らかにした喜代村の木村社長は、その理由について、集客で競合する近隣の温浴施設への土地の貸し付けを都が延長したことを挙げました。これに対し、舛添知事は、温浴施設に関する約束はしていないと反論しました。
東京都・舛添知事:「証拠を出して下さい。ビデオを撮っていますか、録音テープありますか。都のどういう幹部があなたと話をして、温泉のことについてバーターしたんですか。じゃあ誰とやったんですか。何もないです」
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知事...頼みます。せっかく、「かなり長引いたけど...マジほんと大丈夫?!」的な豊洲市場の計画に、勇気を持って手を上げて下さった事業者さんを嘘つき呼ばわり...。
公営企業「築地卸売市場」経営と民間企業は違うんですよ!!
決算特別委員会で、お姐が「毎年毎年発生してる営業赤字どうすんの!?」と詰め寄ったところ、しれっと中央卸売市場担当部長が「営業損失を国庫交付金や一般会計補助金の外部資金で穴埋めすることで健全経営を図っている」(お姐超訳:税金で補填しているのでご安心を、あ、市場は公共財ですので、あしからず!)と堂々と回答しているようには、民間企業はいかないんですよ!
えぇ、
収支が見込めないとなれば、勇気ある撤退をしないとならんのですよ。無辜なる従業員には家族もおるのです。
名だたる武将も孫子の兵法にも撤退の重要性を困難さを指摘しておるではないデスか?!
んん?! 「温浴施設への土地の貸し付けを都が延長した」...。これもどっかで聞いたような...。
そうだ!! これも決算特別委員会で臨海副都心開発事業審査で、なし崩し的に契約満了になっても、暫定利用が続いているヴィーナスフォートについて、お姐質しておりました!
以下長文ですので、良い子のみんなと、お急ぎの方は、お姐超訳部分のみ読めばわかるようになっております♪
お姐「(暫定利用契約というものガイドラインにあるように)原状復帰ということで、回復をして返還していただくということを確認させていただきました。
同じく暫定利用地区であったヴィーナスフォートは、その建造物自体も、いかにもちょっと――私も、息子が車が好きなので、よく子供のころは連れて行きましたけれども、いかにも短期利用という外観が否めないかなと思います。
更地で返却するはずであったものの、そのまま残っているようでございますが、この施設はこのまま固定して利用していくのかを含めた現状とあり方について伺います。
(お姐超訳:短期利用・更地で返却という契約なのに、どうーなっちゃってんの?!)
港湾局営業担当部長「暫定利用につきましては、先ほどの考え方に基づき、事業者との協議により延長を認めているところでございます。
ご指摘のあったヴィーナスフォートのある青海ST区画につきましては、平成二十年に公募を実施し、売却先の事業者が決定をしております。したがいまして、延長期間終了後には、現在の施設は取り壊され、新たな施設が建設される予定でございます。」
(お姐超訳:延長の手続きはとってますよ、えー取ってますとも! その後のことは...きっと新たな施設ができる! 予定ですっ!)
お姐「先ほど聞きましたガイドラインの趣旨を酌みまして、その重要性も鑑みまして、今後も、この暫定利用地については、ヴィーナスフォートの部分も含めまして注視をさせていただきたいと思います。」
(お姐超訳:お役所ですからね、ガイドラインがあるのは認めます。そのガイドラインにしたがって粛々と事業をやっているか監視するのが都議会議員の責務ですのでね、はい、ガン見して観察していきます。)
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さらに、そもそも豊洲新市場へ築地から本当に仲卸業者がすべて移転するのか?
なぜ、新規参入者を阻むのか?!
高齢化や資金難で出店辞退者がでて、立ててみたらガラガラはないのか?!
という今日を予想する質問もシッカと昨年末の決算特別委員会で、不詳お姐はしておりましたっ!
お姐「仲卸さんのところは組合もありますので、きっとそちらの方からもお話を聞いて客観的な、手を挙げる方、ここのあいたところに入りたいという方の状況というのも、恐らく東京都の方もしっかりと情報を得た上で調整をされているのかというふうに考えております。
一方で、ちゃんと募集した結果として、残念ながら、八事業者に対し四事業者しか来なかったということは、一見、残念な結果ではありますけれども、広く募集をしたというふうなことは評価していただきたいと思いますし、あきが埋まるように、この件に関しましては呼びかけ等は続けていっていただきたいというふうに思います。
これまでのご答弁を踏まえて、さらに個別に考えていきたいと思います。
築地の仲卸業者でございますけれども、そのうちの四五・七六%が経常赤字、債務超過は五〇・八五%と厳しい状況が見てとれます。
東京都は、事業概要でもありますように豊洲新市場移転支援事業を実施しており、先ほど来、経営のサポートをしていることは十分承知しておりますけれども、このサポートがあっても移転を断念する事業者が相当数に上るのではないかということを危惧しております。
先ほど来、同僚委員がさまざま質問したとおり、土壌問題も解決をして、立派な豊洲ができました、がらがらでしたということは絶対にないようなことは願っておりますので、全てが埋まる見通しは立っているのかどうかについてお答えいただければと思います。」
(お姐超訳:まさか、立派なハコモノ作って、新規参入者を拒み、既得権者優先にして、できてみました、ガラガラなんてなかろうね?!←明日を予見しておった...)
中央卸売市場事業部長「豊洲新市場への移転に当たりましては、市場業者が抱える不安を解消し、安心して移転できるよう、業界団体と連携しながら、移転の準備から移転後に至る各段階に応じた支援策を順次実施しているところでございます。
しかし、水産仲卸業者の中には、販売先の減少等から商売の先行きに対しての不安や、経営者自身の高齢化、後継者問題などの個々の事情により、移転を希望しない事業者もおります。業界団体からは、そうした事業者の中には、自身の事業を他の事業者に譲り渡したり、合併したいというニーズがある一方で、豊洲移転を機に、販路拡大や新たな事業展開を模索し、経営規模の拡大を計画している事業者も多く、事業の譲り受けや合併の受け皿としてのニーズもあるというふうに聞いております。
このような状況を踏まえました上で、水産仲卸業界とも随時調整を図りながら店舗数を配置することとしていることから、現段階では全ての店舗が利用される見込みでございます。」
(お姐超訳:(仲卸事業者の経営状況資料どっから見つけたんだ...)経営は大変なのは承知してますが、我々が支援しましてね、出店辞退者は他の阿吽の呼吸の事業者に声をかけましてですね、そう! 仲間同士で乗り切るんですよ。これまで通り! 同じ気心しれた事業者とのみやらせて頂きます!)
お姐「来るオリ・パラを目指しまして国際都市を担っていく東京におきまして、オリンピック会場とも近いこの豊洲は、まさに国際市場になっていくような期待を私も抱くところでございますので、新たな業界や外資系など、幅広く参入を促すことこそが豊洲新市場の活性化につながると考えております。築地市場の既存事業者内だけの調整には、ちょっと大丈夫かなという疑問が残るので、既存仲卸以外の事業者が新規に参入できる機会を積極的に設けるべきではないのかなと考えております。
といいますのは、今のご説明にあった経営規模の拡大を計画している既存事業者さん、新聞報道にもなっておりましたけれども、これから数年、どのような状況になるかわからない、移転時に経営状況に変化が生じることもないともいい切れません。移転が完了した後、先ほど来申し上げたように、空き店舗が発生してしまったということにならないように、今後も東京都は緊張感を持って事業を推進され、議会はそれを監視していくことになるかと思われます。
その際、でも、よんどころのない状況で空き店舗がどうしても出てしまった場合は、先ほど申し上げましたように、フェアな市場原理に従って、公募をかけ、経営能力もある、意欲もある新規事業者が外部から入れる、生かせる機会を望むものであります。」
(お姐超訳:まったくおっしゃること信頼できません。一般の力ある民間の力なくして成功なし!! ちゃんとやって! 監視もするよ!)
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ということで、築地卸売市場、港湾局の担当お役人との「臨海副都心開発事業」と「豊洲新市場」のイデオロギー・プロパガンダを徹底排除した、市場原理と経営・財政の観点で斬り込み熾烈な攻防を繰り広げ、疑問点を炙りだした結果...。
千客万来施設事業 事業予定者の辞退について 中央卸売市場
...という、振り出しに戻る最悪の結果となったのでございました...。
アーメン...というか合掌。
してはおられませぬ!! 貴重な血税でございますので!!!
【お姐総括】
昨年10月の決算委員会では、他の決算委員からも「いい加減にしたら...」「せっかく盛り上がってきたのに水を指すな」的、白い目線の中浮きまくって質問連打した意義を改めて見出しております。ここに、豊洲新市場を統括します中央卸売市場の決算審査の総括意見として苦言を呈した全文を掲載いたします。
「中央卸売市場会計について申し上げます。
営業損失を国庫交付金や一般会計補助金の外部資金で穴埋めすることで健全経営を図っているとのご答弁でしたが、一般会計の原資もまた税金であることを念頭に、今後も引き続き、健全経営をお願いいたします。
一方、先日、葛西市場まつり式典に出席し、あわせて地盤沈下や雨漏りの状況、配管のさびなども確認させていただきました。早目早目に対策していれば、未然に老朽化を防げる手立てもあるかと存じます。
市場は、税金を投入することも認められた準公共財であることは十分に承知しておりますので、東京都においては、頻繁に現場に足を運ばれ、現状を見て、事業者の声を聞いて、各種事業、経営判断に活用することを求めます。
各事業についてです。
仲卸の経営状況を鑑みながらも、MアンドAも視野に入れた経営指導など、市場原理にのっとった過不足ないサポート体制を講じること。
各市場への仲卸事業者の新規参入を促進すること。殊に、豊洲新市場においては新しい事業者への門戸を開き、開設時に必ず満床となるよう広く公募を呼びかけること。
少子高齢化によるマーケット縮小、増加し続けている市場外流通を鑑み、将来の統廃合をも視野に入れた選択と集中の検討に入ること。
老朽化対策については、発生主義ではなく、費用対効果を念頭に、中長期的、効率的な過不足ない対策を図ること。」
引き続き、あなたの街のご近所議員、お姐こと上田令子は、GWボケも吹き飛ばして、今後もバスバス質問していきます。124名中、ここまでやる都議会議員はおらんのですから...。
次回は、そもそも、臨海部の開発っていったいどこからやってきて、どこへ行こうとしているのか。現状をとらえつつ歴史的検証してきましたのでその辺りも説明させていただきますね♪→2015.5.9ブログにつづく「バブルの遺産?!臨海副都心構想を検証する」ご一読を!
今年も変わらず、鉄線が見事に咲きました。影も形もなくなるのに、ちょうど、統一地方選挙が終わるタイミングの毎年GW前後に美しい花を咲かせる姿に、原点に立ち返ることをいつも教えられております。
(2015年5月6日「上田令子のお姐が行く!」より転載)