東洋大が箱根駅伝で課す非情の鉄則「同じ力なら下級生使う」 なぜ?

「第87回大会(2位)は富永光、89回(2位)も斎藤貴志と、優勝経験者の主将が走らなかったこともある」
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東洋大の酒井俊幸監督
朝日新聞社

東洋大「同じ力なら下級生使う」 箱根に非情の鉄則なぜ

 東洋大の1区西山和弥(1年)が区間賞の走りで2区の相沢晃(2年)につないだ。西山は18キロ過ぎに先頭に立ち、そこからトップを譲らなかった。2位の国学院大に14秒差をつけた。

 今年の東洋大は下級生中心のメンバー構成で「10年連続トップ3」の偉業に挑む。過去9回の箱根駅伝で優勝4回、2位4回、3位1回。今年は登録メンバー16人のうち4年生は1人だけだ。

 3位以内を10年以上続ければ、1978年から12年連続の順大以来になる。当時の順大は12年のうち4連覇を含む優勝7回。まさに黄金期だった。今季の東洋大は出雲、全日本大学駅伝とも5位。酒井俊幸監督(41)は「青学大、東海大、神奈川大のほうが力は上だが、ミスがあればどの大学にもチャンスはある」。持ち前の安定感で、3強崩しをもくろんでいる。

■「同じ力なら下級生を使う」

 トラックの記録はいま一つでも、ロードの長い距離に強い選手が育つのが伝統だ。加えて、酒井監督には鉄則がある。「同じ力なら下級生を使う」。温情で上級生を使うより、翌年以降を見据えて下級生に経験を積ませてきた。長く3位以内を守ってこられた要因の一つだ。「第87回大会(2位)は富永光、89回(2位)も斎藤貴志と、優勝経験者の主将が走らなかったこともある。非情でも、それが次の選手をつくることになる」と話す。

■長距離主将も例外ではない

 今年は長距離主将で前回9区区間賞の野村峻哉(4年)が登録から外れた。故障が長引き、11月下旬にハーフマラソンに出られるまでに回復したが、その後のメンバーを選考するための練習で集団から遅れた。野村の経験を買っていた酒井監督も、「出雲、全日本までの距離なら使えるが、箱根の長い距離では難しい」と決断したという。

 往路は1年生3人、2年生1人、3年生1人の構成。復路も若手中心で挑む。(伊藤雅哉)

(朝日新聞デジタル 2018年01月02日 09時36分)
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(朝日新聞社提供)