女性版レースは「非現実的」? ツール・ド・フランス幹部が開催に難色

世界的な自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」。その女性版レースの開催を望む声が大きくなっている。賛成署名はこれまでに7万を超え、「今こそ自転車レース界にも男女平等を実現する時」と訴えている。しかし、大会関係者は「非現実的で時期尚早」と開催に消極的だ…
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世界的な自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」。その女性版レースの開催を望む声が大きくなっている。賛成署名はこれまでに7万を超え、「今こそ自転車レース界にも男女平等を実現する時」と訴えている。しかし、大会関係者は「非現実的で時期尚早」と開催に消極的だ。

イギリス・インディペンデント紙によると、イギリス労働党のハリエット・ハーマン党首代行は2014年のツール・ド・フランス開幕戦がイギリス・ヨークシャーであるのに合わせ、本レースと一緒に女性レースも同時に開催することを提案している。

「ラディカル・フェミニスト」としても知られる彼女はツール・ド・フランス総合ディレクターのクリスチャン・プリュドム氏に、レース開催実現を求める手紙を署名とともに送付したという。プリュドム氏はハーマン氏のアイデアを「非現実的」と批判し、「メインレースの準備だけでも手一杯なのにもうひとつのレースを開催するのは無理だ」と述べたという。

■ずさんな大会運営、スポンサー獲得難…。女性版レースをめぐる課題

女性版ツール・ド・フランスは「Tour de France Féminin」という名で1984〜2009年まで開催されていた。しかし、観客がいない、スポンサーの確保難で賞金を払えない、スケジュールの調整不足の露呈など大会運営のずさんさが目立った。1990年、91年、2004年には大会そのものが開催されなかった。これらの問題を知る関係者からは「女性版レースを復活させるのは時期尚早、もっと時間をかけて準備していく必要がある」との指摘が出ている。

イギリス・テレグラフ紙は「Here's why the women's Tour de France should be revived」で、女性版レースへの期待を以下のように説明している。

「署名してくれた7万人はすでに潜在的な観客であり、数万の視聴者がいるとわかればスポンサーもきっとつくはず。撮影のためにより大きな投資が必要だから難しいという批判もあるが、男性レースで使用する機材を使えば問題はない」

(Lucy Kinder記者 2013/07/25)

イギリス自転車競技連盟会長のブライアン・クックソン氏は

「伝統的に自転車競技会は男性優位が続いてきた。我々は(女性の参加に向けて)もっと努力をすべきだと思う」と話す一方で、「私も女性版ツール・ド・フランスを見たいと思っているが、女性に合わせた大会規定やコースなどについてもっと細かく検討する必要があるとも考えている」と開催に慎重な姿勢を示している。

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