大手総合電機メーカー「東芝」のフラッシュメモリーの研究データを韓国の企業に不正に流出させた疑いが強まったとして、警視庁捜査2課は3月13日、不正競争防止法違反容疑で、東芝と提携していた半導体メーカーの元技術者の男(52)=北九州市=を逮捕した。NHKニュースなどが伝えた。
逮捕されたのは、「NAND(ナンド)型フラッシュメモリー」という記憶用の半導体に関する研究を東芝と業務提携して行っていた、アメリカの半導体メーカーの元社員で、北九州市に住む杉田吉隆容疑者(52)です。
警視庁によりますと、杉田容疑者は半導体メーカーに勤務していた6年前、東芝のフラッシュメモリーの開発拠点の四日市工場で、「営業秘密」に当たる研究データをコピーしたうえで、韓国の半導体大手「SKハイニックス」に提供したとして、不正競争防止法違反の疑いが持たれています。
(「東芝の技術を流出か 提携先の元社員逮捕 NHKニュース」より 2014/03/13 14:58)
SKハイニックスは、過去には特許侵害があったとして賠償命令を受けている。
東芝は16(2004)年11月、フラッシュメモリーの特許を侵害されたとして、SK社(当時、ハイニックス半導体)の日本法人を相手取り、販売差し止めと損害賠償を求めて提訴。東京地裁は18(2006)年3月、この法人に販売差し止めと約780万円の賠償を命じた。
(MSN産経ニュース「韓国企業に東芝の技術流出 容疑の元技術者に逮捕状 警視庁」より 2014/03/13 11:35)
NAND型フラッシュメモリーの世界市場は1位のサムスン電子と2位の東芝で7割を占める。SK社も4位に付けており、捜査2課は激しい開発競争が事件の背景にあるとみている。
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