東芝の不適切な会計処理を巡る問題で、田中久雄社長(64)が引責辞任する見通しとなったことがわかった。第三者委員会の調査で、部下に過大な利益目標の達成を迫ったと受け取れるメールなどが見つかったという。7月11日、産経ニュースなどが報じた。
東芝は、2009〜2013年度の5年間で、累計548億円の営業利益が水増しされて過大に計上されたことを明らかにしている。リーマン・ショックや東日本大震災によって業績が悪化しているなかで、厳しい予算目標が粉飾会計につながる圧力となったとみられる。
外部の専門家による第三者委員会が調査した結果、2013年6月に就任した田中社長は、幹部らに早朝の電話やメールで「何で予算を達成できないんだ」「売上高、利益をもう少し上げろ」などと要求。「計上時期をずらすことを検討してくれないか」などと、損失計上の先送りを促していたという。
なお、リーマン・ショック後の2009年6月に社長に就任した、前社長の佐々木則夫副会長(66)も、予定通りの利益を上げられない部署に、会議の場やメールで「工夫しろ」と指示していたとされる。佐々木氏はすでに辞任する見込みだ。
一連のニュースに対し、ライブドア事件で逮捕・起訴された堀江貴文氏(42)は、「私もなんとかしろ的な発言で粉飾の指示を受けたと思ったと元部下に証言されたことが有罪の大きな決め手となりました」「粉飾はだめと書かないと」などととツイートしている。
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