10月7日から始まる展示会 CEATEC JAPAN 2014 ですが、前日の6日の夕方、報道関係者向けに一部ブースの取材許可がおりました。台風上陸により設営準備が進んでいないところもありましたが、取材許可がおりたところから随時お伝えしていきます。
東芝ブースでは、担当者が「眼鏡の進化形」と語る表示デバイス、その名も「東芝グラス (Toshiba Glass)」を披露。体験ブースを設置しています。2015年の商品化を目指し現在、鋭意開発中のデバイスです。
最初に断っておきますが、東芝ですがGrassではなくGlassです。Toshiba Glassという名前からGoogle Glassのような製品と思われるかもしれませんが、あくまでもこれは眼鏡型の表示デバイスで単体で動作するものではありません。端末にはバッテリーも搭載しておらず、USB接続でスマートフォンやタブレットと連携して利用します。
製品の詳細は現時点では非公開ですが、重さは42g。2015年の商品化を目指し開発中で、基本的には法人需要を想定した製品です。しかし一般販売の可能性もあるとのこと。
眼鏡のテンプル(つる)の部分に投影装置があり、特殊なレンズに照射して表示するプロジェクターのような構造。投影装置の耳に近い方にminiUSBの端子があり、スマートフォンやタブレットと接続して利用します。体験デモ用の端末はPCと接続されていました。
なお、着脱および折りたたみが可能で、投影機がこめかみに近いところにあるため視界の邪魔にならない点をアピールしています。工事や保守点検作業員や警察・医療現場、物流、博物館などの展示施設、スポーツ用途などを想定。
単なる表示デバイスとなるため、ともすればGoogle Glassに分があるといった声も聞こえてきそうな製品ですが、東芝の担当者いわくこれは実用を考えてのこと。というのも1時間程度でバッテリーが切れてしまうGoogle Glassでは、企業が期待する使い方はできないため。「動作時間のせいで Google Glass は使えません。バッテリーは容量のあるスマートフォンなどから供給した方が使えます。これは新しいガジェットではなく、眼鏡の進化形なんです」と話していました。
というわけで実用を意識したToshiba Glassですが、少しの間試用した印象ではあるものの、進化した眼鏡にUSBケーブルが生えているのは進化なのか? といった疑問は残りました。眼鏡然とした姿は東芝の意欲がうかがえますしケーブルなしで装着すると軽量です。なのですが、そこにケーブルを接続すると途端に重さを感じます。
ブースでは眼鏡型のほか、サングラスやゴーグルタイプも紹介しており、たとえばスキーやスノーボード用のゴーグルならば眼鏡よりもホールド感があるのでケーブルが気にならないかもしれません。寒冷地でスマートフォンを出さず、グローブさえも外さず仲間と連絡がとれるといった利用シーンに期待したいところです。
(2014年10月7日「東芝が眼鏡型「Toshiba Glass」2015年発売、スマホと接続。担当者「Google Glassは使えない」」より転載)