[東京 7日 ロイター] - 東芝は7日、2015年3月期の連結決算を開示した。当期純損益は378億円の赤字(決算訂正後の前年同期は602億円の黒字)に転落した。取締役会議長に資生堂の前田新造相談役を充てるほか、室町正志社長以外の社内取締役の人事も発表した。9月30日の臨時株主総会で正式に就任する。
同社は、8月31日に延期していた決算開示と有価証券報告書の提出について、新たに10件の不正会計の調査が必要として7日まで再延期したが、期限の朝に間に合わせた。
15年3月期の売上高は前年比2.6%増の6兆6558億円、営業利益は同33.7%減の1704億円、税引前利益は同25.1%減の1366億円。8月18日に公表した予想は、売上高が6兆6600億円、営業利益が1700億円、税引前利益が1400億円だったが、着地はわずかにずれた。
これは、新たに調査した10件の会計処理が原因で、米国子会社の水力発電案件や固定資産の減損など6件で修正が必要と判断し、15年3月期の税引前利益を34億円押し下げた。
2009年3月期から2014年4―12月期までの過年度決算の訂正も発表。6年9カ月の累計訂正額は、税引前損益で2248億円、当期純損益で1552億円。8月18日に公表した税引前損益の過年度訂正の累計額は2130億円だったが、新たな不正会計の訂正で118億円を修正した。同日、過年度の有価証券報告書も提出した。
9月30日の臨時株主総会に提案する取締役人事11人のうち、社内4人の候補は、綱川智・上席常務、平田政善・前東芝テックCFOを新たに内定。室町社長と牛尾文昭上席常務は取締役を留任する。
(村井令二 編集:宮崎大)
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