橋下徹氏辞任を一時表明、野党再編はどうなる?【動向まとめ】

橋下徹大阪市長が、日本維新の会共同代表を辞任すると報じられているが、橋下氏の辞任は、野党再編を進めやすい環境にする考えもとの見方が出ている…
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橋下徹大阪市長が、日本維新の会共同代表を辞任すると報じられている。

日本維新の会は、27日午後、都内の国会議員団本部で執行役員会を開く。目標10議席に対し、8議席の獲得にとどまった参院選の結果を総括し、今後の党運営の方針を協議する。橋下氏はその席で辞任を表明する見通しだが、「選挙前勢力は上回ったことから、石原慎太郎共同代表ら議員団は、橋下氏の辞任は不必要との立場」と時事通信は報じている。

何故、今、辞任なのか。

朝日新聞デジタルは、「自らが代表を退くことで、維新を含めた再編を進めやすい環境にする考えもあるとみられる」と報じている(朝日新聞デジタル「橋下氏、維新代表の辞意表明へ 幹部らは慰留の構え」より。2013/07/27 03:00)。

橋下市長は24日、退庁時のぶらさがり取材において、日本のために新しい野党ができるなら良いとして、野党再編について下記のように話している。

「野党再編が必要だと考えている国会議員同士が、新しい党を作ったらいい。既得権益に左右されるかどうかが一番重要なポイントかと思う。自民党と違って既得権益には左右されないというのが対立軸として必要。

新しい党を作るというのであれば、国会議員が中心になるだろう。

早く新しい野党ができることを期待している。

江田(憲司)さんもそういう考え方、おそらく細野(豪志)さんもそういう考え方だろう。

誰が主導権を取るかというくだらない事はせず、国会議員のみなさんで新しい党を作ったらいい。

自民党に対向する勢力を作ることが必要だと誰もがわかっている。

政党から出ればお金がもらえなくなるとか、誰が主導権を取るとかでみんな右往左往しますけれども、お金の問題やポジション争いを考えても日本は変わらない。

大阪維新の会はお金も何も無い所でスタートしてやってきた。

あとは国会議員の腹一つですよ。口ばっかりで『日本を変える変える』と言っていても変えられるわけがない。選挙のときは、命をかけてとか、覚悟を持ってとか叫んでいるのに、結局政党交付金を貰えるかもらえないかとか、自分のポジションがどうなるとか、そんなことを気にしている国会議員だったら、日本なんか変えられない。」

政党交付金は、国政選挙での得票数に応じた金額と、党所属議員数に応じた金額を合算して支給されるが、交付金の配分額は1月1日現在の政党所属国会議員数と、直近の国政選挙の得票率に基づいて計算される。そのため、1月1日までに新党を結成しても、交付金は一切受け取れない。

民主の細野豪志氏、維新の松野頼久国会議員団幹事長、みんなの江田憲司幹事長は24日都内で会談し、行政改革などをテーマとする勉強会を来週にも設立することで合意したと報じられている。

しかし、各党の内部での対立もあり、野党再編は簡単ではないとも見られている。

みんなの党の渡辺喜美代表は25日に開かれた参院戦後初の同党両院議員総会であいさつし、「今すぐ政界再編を仕掛けるというのはあまりにも拙速」と述べるなど、野党再編に向けた動きを加速している江田氏を批判している。

また、民主党の内部でも、輿石氏などの党幹部が海江田氏に辞任を迫った細野氏に対して「細野はもう終わった」と周囲に語るなど、亀裂が深まっているという。(朝日新聞デジタル「参院選惨敗民主、刷新も失敗 海江田代表の続投承認 党重鎮に配慮、若返り図れず」より。2013/07/27)

いっぽうの自民党はというと、菅義偉官房長官は25日の記者会見で、民主党、日本維新の会、みんなの党による野党再編の動きに対し、「見守っていきたい」と余裕の表情を見せたという。

なお、橋下氏は、執行役員会でいったん辞意表明したが、慰留で続投になったと、共同通信が報じている。

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【追記】代表辞任表明の情報を追加(2013/07/27 15:43)

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