7月14日に告示される東京都知事選(7月30日投開票)について、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)が12日午後2時から都内のホテルで記者会見を開いて「誠心誠意、東京都のために全力を捧げたい」と、野党4党の支援を受けて立候補することを表明した。
野党側の候補が発表されたことで、都知事選の与野党対決構図がおよそ固まった。
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鳥越氏は、政治資金流用疑惑などで辞任に追い込まれた舛添要一元知事らを批判し、「『政治とカネ』の問題では言い尽くせない。税金をどう使うかを意識して、仕事に当たっているかということが問われている。政治に使うお金が(都政)混乱の最大の問題。きっちりと前任者のどこに問題があったのかを調査し、税金の使い方はこれでいいのかを問いかけながら働き、是正したい」と話した。
また、保育所、待機児童の問題や貧困などを例に「東京都は輝かしい一面の反面、格差が進行して恵まれない方々がいることも事実」として、問題解決に取り組むとした。
■「昨日出馬決めたばかり」 公約話さず
一方で、少子化問題に触れた際に東京都の合計特殊出生率を「若干、他の地域よりは出生率は高いと言われていますけど、1.4程度です」と誤って話し、その後正しい数字を書かれたメモとみられる物を渡されて、「東京都の出生率は1.17で、全国最低」と訂正した。
また、具体的な政策や公約について問われると「昨日の夕方に出馬を決めたばかり」として発表しないなど、準備不足を露呈する場面も多くあった。公約はいずれ公表するとしている。
記者会見の最中には、民進党から出馬を要請されていた元経済産業省官僚の古賀茂明氏(60)が登場、鳥越氏は古賀氏について「同郷の友達」と呼んで握手を交わし、報道陣の撮影に応じ、野党候補の一本化アピールを行った場面もあった。
握手を交わす古賀茂明氏(左)と鳥越俊太郎氏
■与党系は自民推薦の増田氏と推薦なしの小池氏、保守分裂選挙へ
与党系候補は、17年ぶりの保守分裂選挙となっている。
自民党都連は、11日に立候補を表明した前岩手県知事で元総務相の増田寛也氏(64)の推薦を決定している。しかし、これに先立ち、6月29日に立候補を表明したのは、元防衛相の小池百合子衆院議員(63)だった。
小池氏は、自民党都連に相談無く立候補を表明した後、自民党に推薦願いを提出していた。その後、都連による増田氏の擁立が浮上すると、小池氏は参院選当日の10日午後8時に取り下げ。産経ニュースによると、こうした動きを受けて、石原伸晃自民都連会長は、「小池百合子氏はわがままだ」と発言するなど、亀裂が深まっている。
一方、小池氏側は「都知事選には推薦なしで出馬いたします」「『都議会のドン』やひと握りの幹部による都政運営を改める」とTwitterなどで表明。11日に都庁で開いた記者会見では「組織対個人。この戦いざまをみていてただきたい。私はなんら怯えることない」と、こちらも自民党都連との対決姿勢を表明した。
■野党系は石田氏・古賀氏が立候補断念、宇都宮氏の行方は?
一方、かねてから野党4党(民進、共産、社民、生活)や市民団体には、都知事選での統一候補の擁立を模索する動きがあった。
俳優の石田純一氏(62)は都知事選に「野党統一候補なら出馬する」と7月8日に表明していた。
古賀氏は、出馬判断は保留していたが、サンケイスポーツは、11日に鳥越氏から出馬表明の打診があったことを受けて、民進など野党4党が推薦する意向となったことから、出馬しない方針を決めたと報じている。
一方、野党系では元日弁連会長の弁護士宇都宮健児氏(69)も7月11日に立候補を表明している。
7月11日の記者会見で宇都宮氏は「このあと、野党各党を回って支援要請をしたい」と話した。野党統一候補に別の人物が挙がった場合、自ら辞退することもあるのかを繰り返し問われたが「真摯な気持ちでその方と相談させていただきたい」「ぜひその方と公開の場でお話をし、政策の議論もやりたい」と明言しなかった。