今回、川口喬吾(東京大学ほか)たちは、培養神経前駆細胞で見られる特定の種類の欠陥構造が、その欠陥周囲の細胞の移動方向に依存して、細胞移動の流れの「ソース(供給源)」と「シンク(集積源)」として働き得ることを示している。トポロジカル欠陥として知られるこのような欠陥構造の周囲の細胞の配列は、人工の伸長性のアクティブなネマチック液晶系に見られるものと類似している。
このような欠陥の周囲では、細胞が集積してマウンドを形成したり、細胞密度が低下したりすることにより、細胞の流れに影響を与えていることが分かった。著者たちは、細胞の運動性によるアクティブな力と摩擦力が相互に影響して、細胞の流れや密度の変化につながっていると考えている。
Nature545, 7654
2017年5月18日
doi:10.1038/nature22321
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