私鉄大手の東京急行電鉄株式会社が9月2日、東急株式会社に社名を変更した。鉄道事業は10月1日から100%子会社の東急電鉄株式会社が継承する。同社が公式サイトで発表した。
朝日新聞デジタルによると、「東急」から「東急電鉄」に約3300人が出向する形となるという。
鉄道事業が切り離された新しい「東急」は、不動産事業を中核とする会社に生まれ変わる。東急グループで同じく不動産事業を手がける「東急不動産ホールディングス」との関係がどうなるのかが焦点になりそうだ。
両社が統合するとの観測も浮上する一方で、再編にはデメリットも多く、ハードルは高いとの報道も出ている。
■東急97年の歴史とは?
公式サイトなどによると、東急は1922年9月2日に設立された目黒蒲田電鉄が前身。2019年で創立97年を迎えている。渋沢栄一が理想的な住宅地をつくる「田園都市」の開発のために作られた会社。当時から不動産開発と鉄道事業を一体体的に進めていた。
その後、1936年に就任した五島慶太社長のもと、ライバルの東京近郊の鉄道会社を次々と買収。戦時中の1942年から、東京急行電鉄の社名となっていた。
東急グループは2020年の東京オリンピックを前に、拠点である渋谷駅周辺の大規模開発を進めている。渋谷ヒカリエ、渋谷キャストなどに続いて、2018年には大規模商業施設「渋谷ストリーム」を開業した。
鉄道事業の分社化によって、東急グループの不動産事業がどうなるのか注目したい。