アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は1月15日、「東京オリンピック開催の望みは薄くなった」という見出しの記事を掲載。新型コロナウイルスの感染拡大が世界で広がっていることから、開催中止の可能性があると指摘した。執筆者はベテランのスポーツ記者のマシュー・フッターマンさんだった。
■河野太郎氏と、IOC委員のディック・パウンド氏は開催可否について言葉を濁していた
この記事では、2020年3月に東京オリンピックの開催を延期してからもうすぐ1年が経つ中で、「見通しは暗くなってきている」と指摘。国際オリンピック委員会(IOC)は、「第二次世界大戦以来初めてオリンピックをキャンセルすることを余儀なくされる可能性がある」と続けた。
その理由として、日本の河野太郎行革担当相が1月14日、東京オリンピックが「どちらに転ぶかは分からない」と述べたとロイター通信が報じたこと。IOC委員のカナダのディック・パウンド氏も、開催について「確信が持てない」とBBCの取材に述べたことを挙げた。
また、ワクチンの普及が予想より遅れているとして、「人類の多くはこの夏までワクチン接種を受けないままになるだろう。日本は2月下旬まで国民への予防接種を開始する予定はない。このプロセスには数カ月かかる」と指摘。IOCや日本側も、参加選手やコーチたちが「予防接種を受けずにオリンピックに参加することになると想定している」と報じている。