1984年を最後に手が届いていない、そして正式競技では初めての金メダルまで、あと1勝。
東京オリンピックの野球・日本代表チームは、8月4日に行われた準決勝で韓国代表チームに5-2で勝利し、決勝進出を決めた。
決勝戦の対戦相手はアメリカ。決勝トーナメントの初戦で7-6で勝利した同国と、金メダルをかけて8月7日に勝負する。
<決勝>
日本 vs アメリカ:8月7日(土)19時~
放送予定:NHK総合
<決勝トーナメント表>
日本の先発予定投手は、7月31日の予選リーグ・メキシコ戦で先発した森下暢仁選手。この試合では5回を2失点に抑えている。
一方、アメリカの先発予定はソフトバンクでプレーするニック・マルティネス選手だ。マルティネス投手も31日に行われた予選リーグの韓国戦で、5回を1失点に抑えている。
日本のプロ野球での今シーズンの防御率は、森下選手が2.29、マルティネス選手が2.03と、両投手とも安定したピッチングを見せている。
サヨナラ勝ちした前回のアメリカ戦
日本とアメリカは、それぞれ予選リーグを1位通過。決勝トーナメントの初戦で対戦している。
その試合では6-5とアメリカ1点リードで迎えた9回裏に日本が同点に追いつき、延長戦に突入した。
そして、タイブレークが導入されている延長戦で、日本は10回裏に栗原陵矢選手が初球で送りバントを成功。
続く甲斐拓也選手が初球を捉えてライトフェンス近くまで運んで、サヨナラ勝ちした。
一方、アメリカは4番のトリスタン・カサス選手の3ランホームランを打つなど、打撃力の強さを見せた。
日本代表に選ばれた選手は?
今大会で日本代表チームを率いるのは、13年前の2008年の北京オリンピックに選手として出場した稲葉篤紀監督だ。
今回のオリンピックで登録できる選手数は24人。選ばれた中で、これまでオリンピックを経験しているのは田中将大選手のみだ。
<24人の代表選手>
投手
- 青柳 晃洋 選手
- 岩崎 優 選手
- 森下 暢仁 選手
- 伊藤 大海 選手
- 山本 由伸 選手
- 田中 将大 選手
- 山﨑 康晃 選手
- 栗林 良吏 選手
- 千賀 滉大 選手
- 大野 雄大 選手
- 平良 海馬 選手
捕手
- 梅野 隆太郎 選手
- 甲斐 拓也 選手
内野手
- 山田 哲人 選手
- 源田 壮亮 選手
- 浅村 栄斗 選手
- 菊池 涼介 選手
- 坂本 勇人 選手
- 村上 宗隆 選手
外野手
- 近藤 健介 選手
- 柳田 悠岐 選手
- 栗原 陵矢 選手
- 吉田 正尚 選手
- 鈴木 誠也 選手
24人のうち、投手陣ではパリーグ防御率トップの山本由伸選手や、セリーグトップの青柳晃洋選手が選ばれている。
さらに抑え投手には、39試合連続無失点記録を作った平良海馬選手や、ルーキーながら開幕からの連続試合無失点記録22を打ち立てた栗林良吏選手が控えており、心強い。
打撃陣では、吉田正尚選手や坂本勇人選手、柳田悠岐選手など、日本のプロ野球の強豪打者が顔を揃える。
さらに21歳とチーム最年少ながら、今季プロ野球で26本塁打を打っている村上宗隆選手がこれまでの試合で8番をつとめており、1番〜9番まで勝負強い選手たちが並ぶ。
東京オリンピック野球のルール
東京オリンピックの試合は、プロ野球など通常と野球の試合と同じ9イニングで行われ、DH制度が採用されている。
9回で勝敗が決まらず延長になった場合は、1塁と2塁に走者を置いてスタートする「タイブレーク」で攻撃を開始する。
また5回で15点差、7回で10点差開いた場合は、コールドゲームとなる。
さらに、ランナーがいない場合、ピッチャーは捕手の返球を受けてから20秒以内に投球しなければならないルールがある。
違反した場合は1回目は警告で、2回目以降は相手チームのバッターにボールカウントが1つ追加される。
さらに、監督や投手コーチマウンドに行く場合は30秒以内、ピッチャーの交代とイニング間の攻守交代は90秒以内という時間制限がある。
37年振りの金メダル
野球の日本男子は、現在世界ランク1位。オリンピックに参加している他の5カ国を見ると、韓国が3位でアメリカが4位、メキシコ5位、ドミニカ共和国7位、イスラエルは24位だ。
野球は、1984年ロサンゼルス大会と1988年ソウル大会で公開競技として実施され、1992年バルセロナ大会から正式競技に採用された。
それ以後2008年北京大会まで5大会連続で実施されたが、2012年ロンドン大会と2016年リオデジャネイロ大会では正式種目から除外された。
しかし東京2020大会では、開催都市提案による追加種目として、オリンピックに13年振りに復帰した。
日本代表チームは公開競技だった1984ロサンゼルス大会で金メダルを獲得したが、正式競技になった後は、バルセロナ大会で銅、アトランタで銀、アテネで銅メダルと、金メダルからは遠ざかっている。直近の北京大会では3位決定戦でアメリカに敗れて、メダル獲得はかなわなかった。
地元開催となった東京2020大会で、普段は別々のチームで対戦している24人の選手たちが、37年振りの金メダルを目指す。
※記事は試合結果とともにアップデートします。