東京医科大学が入試で女子受験者らの点数を操作し、合格者数を抑えていたなどの一連の不正問題で、同大の内部調査委員会(中井憲治弁護士、植松祐二弁護士)が8月6日に調査報告書をまとめ、7日に都内の会見で公表した。
報告書では、過去2年間で文部科学省前局長の佐野太被告(59)の息子を含み、合計19人に対する個別の加点が行われていたと認定。最大で49点が加点されていた。
佐野被告の息子に対する不正な加点について、次のようにつづっている。
一次試験(記述・マークシート:英語・数学・理科2科目で、各科目100満点で計400点満点)
・226点(順位は282位)
・10点を加点⇒236点(169位)
二次試験(小論文:100点満点)
・他の学生と同様に得点調整
・一次・二次試験の合計点は301点(87位)
・面接や適性検査による不合格者のほか、センター試験利用者が抜け、順位が74位となった。
・正規合格者75人中、ギリギリでの合格となった。
「二次の試験の得点を予想しながら、一次で加点」?
これを踏まえて、記者会見では加点の経緯について次のようなやりとりがあった。
記者:一次試験の得点調整は一次と二次の間に行われた?
中井弁護士:一次が終わって、全員の成績が出た後ですね。
記者:二次の加点は属性(男女や浪人の回数)によるので、これ以上は(個別に操作)できないじゃないですか。一次はどんなプログラミングかわからないけど加点している。この点についてはいかがですか。二次の試験の得点を予想しながら、一次で加点するんですか?
中井弁護士:そうだと思いますね。
記者:予想するんですか?
中井弁護士:私も専門家ではないですが、実に芸術的な点数の足し方ですよね。個別に(加点)したのは一次試験で、一次でこの程度の受験生なら二次はこうで、色々な属性に基づく(加点)のをすれば、この程度(の点数)はいくだろうというのを、ベテランなのでお分かりなのではないかと思うんですね。
植松弁護士:二次試験の後も得点調整をする機会もあるようですので、もし万が一成績が悪かった場合には、そこでさらに加点というのがあったのかもしれない。
記者:ただ、今年度についてはやっていなかった?
植松弁護士:そうです。